あぶくま抄・論説

あぶくま抄

2歳児無事発見(8月17日)

 二十年ほど前、二本松市の山の中にある施設で家族と遊んでいた三歳の男の子の行方が分からなくなった。すぐ、大規模な捜索が始まる。周囲は森林に覆われていた。日没が迫る。見つからない。 その日の捜索が打ち切られようとした時、責任者が訴えた。「小さい子ど...[記事全文

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天冠埴輪(8月16日)

 いわき市考古資料館は夏休みのお出掛け先として人気を呼ぶ。市内では二百基を超える前方後円墳や円墳、約九十カ所の横穴墓群が見つかった。出土した遺物が子どもの探求心をかき立てる。 千五百年ほど前に作られた「埴輪[はにわ]男子胡坐[こざ]像(天冠[てん...[記事全文

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かき氷を楽しもう(8月15日)

 猛暑は八月中旬に入っても続き、体が悲鳴を上げる。かき氷が無性に欲しくなる。喫茶室がある福島市の茶舗は宇治抹茶、ほうじ茶の味を生かす。スプーンで口に含むだけで身も心も安らぐ。 夏祭りや観光地の売店、飲食店に「氷」の旗が揺れる。イチゴやメロン、練乳...[記事全文

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蔵はおもしろい(8月14日)

 会津若松市の蔵に落書きが残る。「会津のとのさん力がつよい 二十四万石棒にふる 会津肥後守[ひごのかみ]様」「官軍に攻め立てられて」。戊辰戦争時に建物を占拠した土佐藩士が記したとされる。文字の脇に品のない絵が添えられた。会津藩をあざ笑うかのようにも見える...[記事全文

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ペルセウス座流星群(8月12日)

 今夜からあす十三日未明にかけてペルセウス座流星群が星空の主役となる。観測する絶好の機会が訪れた。十一日が新月で、月明かりの影響が少ない。国立天文台によると、最も多い時には一時間に四十個の流れ星と出合える。 一月のしぶんぎ座、十二月のふたご座とと...[記事全文

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「三平」に会う(8月11日)

 魚捕り、昆虫採集、花火、盆踊り…。子どものころの夏の思い出は生涯の宝になる。漫画家の矢口高雄さんは生まれ育った秋田県横手市で多感な時期を過ごした。豊かな自然で感性を磨き、その後の人生の教科書にする。 日が暮れるまで山や川で遊ぶ。虫や魚を追い掛け...[記事全文

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朝河貫一没後70年(8月10日)

 本県が生んだ歴史学者朝河貫一博士の著書に「日本の禍機[かき]」がある。日露戦争後の一九〇九(明治四十二)年に出版された。日本は中国大陸に進出し、帝国主義の道を突き進もうとしていた時代だった。 <今や日本は国運の分かれ目に立てるものなり>。日米開...[記事全文

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水害教訓を音楽劇で(8月9日)

 伊達市梁川町で音楽劇「水のほほえみ」が受け継がれる。〈人つうものは なれっちまうど そいづがあだりめえだど思っちまうのな〉。劇中の語りにある。 川と人との物語を紡ぐ。一九八六(昭和六十一)年の「8・5水害」を教訓に生まれた。町の中心を流れる広瀬...[記事全文

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経験が通用しない(8月8日)

 県内は数日前までの猛暑がうそのように涼しい。寝苦しさを感じない。「ぐっすり眠れた」が朝のあいさつ代わりになった。真夏の太陽が分厚い雲に隠れ、久しぶりに雨が降る。干上がりそうだった田畑や木々も潤いを取り戻す。 だが、手放しで喜べない。台風13号が...[記事全文

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顔に泥(8月7日)

 入社試験を受けた県内の学生が、色付きレンズの眼鏡を掛けて面接に臨んだ。「わざわざ顔に泥を塗り付けて来たのか」と皮肉たっぷりに、とがめられたという。三十年以上前の話だ。 目が光に弱かったから色付き眼鏡にした。よく見ないと分からないほど薄い色なので...[記事全文

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