あぶくま抄・論説

あぶくま抄

朝河貫一没後70年(8月10日)

 本県が生んだ歴史学者朝河貫一博士の著書に「日本の禍機[かき]」がある。日露戦争後の一九〇九(明治四十二)年に出版された。日本は中国大陸に進出し、帝国主義の道を突き進もうとしていた時代だった。 <今や日本は国運の分かれ目に立てるものなり>。日米開...[記事全文

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水害教訓を音楽劇で(8月9日)

 伊達市梁川町で音楽劇「水のほほえみ」が受け継がれる。〈人つうものは なれっちまうど そいづがあだりめえだど思っちまうのな〉。劇中の語りにある。 川と人との物語を紡ぐ。一九八六(昭和六十一)年の「8・5水害」を教訓に生まれた。町の中心を流れる広瀬...[記事全文

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経験が通用しない(8月8日)

 県内は数日前までの猛暑がうそのように涼しい。寝苦しさを感じない。「ぐっすり眠れた」が朝のあいさつ代わりになった。真夏の太陽が分厚い雲に隠れ、久しぶりに雨が降る。干上がりそうだった田畑や木々も潤いを取り戻す。 だが、手放しで喜べない。台風13号が...[記事全文

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顔に泥(8月7日)

 入社試験を受けた県内の学生が、色付きレンズの眼鏡を掛けて面接に臨んだ。「わざわざ顔に泥を塗り付けて来たのか」と皮肉たっぷりに、とがめられたという。三十年以上前の話だ。 目が光に弱かったから色付き眼鏡にした。よく見ないと分からないほど薄い色なので...[記事全文

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語り継ぐ(8月6日)

 福島市の小学校五年の児童は、校内の図書館にある漫画「はだしのゲン」の全十巻を一カ月ほどで、全て読み終えた。 原爆が投下された前後の広島市の様子が描かれている。原作者の故中沢啓治さんは七十三年前の八月六日、六歳だった。爆心地からわずか一・三キロの...[記事全文

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100回目の夏(8月5日)

 全国高校野球選手権記念大会の幕がきょう五日、開く。出場五十六校は過去最多となり、夏では初めてのタイブレーク制が始まる。猛暑対策で試合中に休憩や給水時間を設ける。百回の節目と相まって、注目度は高い。 元大リーガー松井秀喜さんが開幕日の始球式のマウ...[記事全文

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福島が誇る盆栽文化(8月4日)

 福島市の吾妻山は那須、四国とともに五葉松の日本三大産地と呼ばれる。多彩な樹形の木が育ち、年月とともに表情を変える。盆栽を生業[なりわい]とする人は山で採った種から苗木を育てる。自然の姿を表現する作品が見る者を癒やす。 「ぼんさいや あべ」は市内...[記事全文

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伝馬船(8月3日)

 いわき市のアクアマリンふくしまに木造和船「伝馬船[てんません]」がよみがえった。昭和の中頃まで沿岸の漁や、沖合の大型船から陸地への人と物の運搬に使われた。いわきは砂浜や磯場が多い。小回りの利く小舟の漁が主流だった。 船体がプラスチック製に変わり...[記事全文

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心をつなぐカフェ(8月2日)

 食に興味がある、地元に貢献したい、会話を楽しむ…。JR二本松駅前にある二本松市民交流センター三階のカフェに、さまざまな人が顔を出す。 地域おこし協力隊員を務めた女性が六月末に開いた。市内に生まれ、高校まで過ごした。当時は自宅と学校の往復だけの日...[記事全文

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文科省混乱収まるか(8月1日)

 学びの楽しさや決まりを守る大切さを説く。スポーツや文化の魅力を広める。その役割を担う文部科学省の不祥事が相次ぐ。子ども、教師、保護者に示しがつかない。 前局長が私立大学への取り計らいの見返りに、入試で息子を合格にさせてもらった容疑が浮かび、起訴...[記事全文

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