あぶくま抄・論説

あぶくま抄

汽笛が響く(9月27日)

 昭和三十年代、猪苗代町の沼尻軽便鉄道沿線の中学生は「軽便道[けいべんみち]デート」に胸をときめかせた。放課後に男子生徒が「一緒に帰ろう」と意中の子を誘う。いい返事をもらったが、二人で下校する姿は恥ずかしくて見られたくない。通学路から少し離れた線路上を歩...[記事全文

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すてきな男女の条件(9月26日)

 すてきな男女になるための三つの条件とは何か。ともに一番は「プラス思考」だという。化粧品会社の元女性役員が郡山市で講演した。 愚痴や不満、人の悪口を言ってばかりいると、縦じわができて表情が曇る。前向きになるには自分の長所を見つけて自信を持つことだ...[記事全文

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幻の果実(9月25日)

 詩人の谷川俊太郎さんに「ポポー」という随筆がある。果実の一種で、園芸趣味の伯父が育てていた。「黄色いねっとりとした独特な香りのある果肉を、さじですくって食べるのである」と記す(新潮文庫「ひとり暮らし」所収)。 名のある詩人が取り上げるほどなのに...[記事全文

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吾妻山(9月24日)

 一八九三(明治二十六)年六月七日、吾妻山が噴火した。翌日の福島民報は「黒煙空を漲[みなぎ]り、見るゝ吾妻小富士の全面を覆い一体の黒煙遠く東南にたなびく」と伝える。付近の被害状況などを調査していた技師ら二人が犠牲になった。 十五日、吾妻山の警戒レ...[記事全文

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同じ釜の飯(9月23日)

 給食に特別な感慨を抱く昭和生まれは多い。クジラの竜田揚げは今も語り継がれる。多くの著名人が硬くてかみ切れなかった経験を振り返る。懐かしさとおいしさが先に立つのは、クラス全員が一緒に食べたからだろうか。 山形市で十六日に「日本一の芋煮会フェスティ...[記事全文

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馬事公苑の新発想(9月22日)

 美しい自然林に囲まれた南相馬市郊外の馬事公苑[こうえん]に九月八日、約三百台の大型二輪車が並んだ。全国のバイク乗りが「シーサイド・サンin南相馬」に集った。広場にはテントが立ち、特設舞台では音楽が鳴り響く。 始まりは海辺周辺を会場にした催しだっ...[記事全文

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心ない番組(9月21日)

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から七年半がたっても、福島への心ない言葉がネットから流れる。先日、有料番組に浜通りの被災地域が登場した。 「もう安全かどうか見たい」と、海外の記者が外国人向けのツアーに参加する。富岡町や大熊町、浪江町などを...[記事全文

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重陽の芸術祭(9月20日)

 酒に菊を浮かべ長寿を祈る。九月九日の「重陽[ちょうよう]」の節句にちなんだ芸術祭が二本松市で始まった。日本最大の規模を誇る菊人形と、日本酒の蔵元を多く抱えていることから誕生した。二年前から秋の恒例行事となった。 先陣を切り「蔵カフェ千の花」の築...[記事全文

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富岡町劇民(9月19日)

 県外から富岡町を訪れた人は街中のさら地の多さに息をのむ。かつては商店や住まいが立ち並んでいた。NPO法人3・11を語る会は震災と原発事故を伝える。会員が語り掛けた。「少しずつでも元気のある富岡に戻していきたい」。 町には一万六千人ほどが住んでい...[記事全文

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原則と現実(9月18日)

 過熱気味の競争に国が歯止めをかける。ふるさと納税は大きな曲がり角に差し掛かった。返礼品の金額が寄付額の三割を超えたり、地場産品以外を贈ったりする市町村に寄付をしても所得税、住民税が優遇されなくなる。県内でも十二市町村に影響する。 始まって今年で...[記事全文

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