あぶくま抄・論説

あぶくま抄

夜間中学の校歌(9月17日)

 福島市の福島駅前自主夜間中学にはさまざまな人が教壇に立つ。元教員や元官僚、薬剤師、主婦、農家…。ある音楽家が興味を持った。福島市育ちの大友良英[よしひで]さんだった。雑誌の記事で知った。現在、音楽の授業を担当する。 生徒から「校歌をつくってほし...[記事全文

カテゴリー:あぶくま抄

覆面バンドの叫び(9月16日)

 昭和が終わる頃、四人組の覆面ロックバンド「ザ・タイマーズ」は現れた。工事現場のヘルメットをかぶり、「偉人のうた」を叫ぶ。♪もしも僕が偉くなったなら 偉い人だけとつるんだりしないさ-。 政治家や大企業の振る舞いに厳しい目を向けた。庶民の感覚とかけ...[記事全文

カテゴリー:あぶくま抄

電気を送る責任と負担(9月15日)

 秋の深まりとともに、北の大地の冷え込みは進む。北海道稚内市内で去る十一日、早くも氷点下を観測した。これからの季節は暖房に使われる電気の量が増す。 最大震度7の地震によって、広域で規模の大きい停電に見舞われた。ほぼ復旧し、明かりが戻ってきた。ただ...[記事全文

カテゴリー:あぶくま抄

「そば部」の挑戦(9月14日)

 喜多方市の旧市内で月に一回だけ、のれんを掲げる手打ちそばの店がある。蔵造りで、一杯五百円の「ざる」のみ。毎回七十食ほどを出す。山都町の耶麻農高の「そば部」がチャレンジショップとして、年内限定で七月に開店した。 高校生が栽培した山都産を使う。生徒...[記事全文

カテゴリー:あぶくま抄

歌姫の福島への思い(9月13日)

 開演時間になっても幕が開かない。五分遅れで前奏が流れ、力強い歌声が会場を包む。二曲歌い終えて、突然、声を詰まらせ涙を浮かべた。前日の公演で喉を痛め、開演するかを直前までスタッフと相談したことを打ち明けた。 福島市で八月下旬に開いたコンサートで、...[記事全文

カテゴリー:あぶくま抄

会津と伊勢(9月12日)

 八十二歳になった新島八重が詠んだ。〈いくとせかみねにかかれる村雲のはれて嬉しきひかりをそ見る〉。一九二八(昭和三)年九月、会津藩主松平容保[かたもり]公の孫に当たる勢津子さまと昭和天皇の弟の秩父宮雍仁[やすひと]親王のご婚儀を祝した。 「朝敵」...[記事全文

カテゴリー:あぶくま抄

もし夏目雅子さんが…(9月11日)

 まぶしいほどの輝きと、凛[りん]とした演技は今も色あせない。女優の夏目雅子さんが急性骨髄性白血病で亡くなり、十一日で三十三年となる。二十七歳だった。 九年間で十数本の映画に出演し、テレビでも活躍した。フランスの映画監督で作家の故クリス・マルケル...[記事全文

カテゴリー:あぶくま抄

キューバ移住120年(9月9日)

 中米のカリブ海に浮かぶ島国にキューバがある。一八九八(明治三十一)年に日本人が初めて定住のため渡った。今年で百二十年になる。砂糖景気を背景に、本県出身者も海を越えた。 太平洋戦争中は親米政権の方針で約三百五十人の日系人が強制収容された。戦争が終...[記事全文

カテゴリー:あぶくま抄

伊達地方の未来を織る(9月8日)

 伊達地方を北から眺めると、南北に四筋の太い線が見える。西から東北自動車道、JR東北新幹線、四号国道、阿武隈川。交差して東北中央自動車道「相馬福島道路」の建設が進む。これまでなかった東西の線が、くっきりと浮かぶ。 桑折高架橋(仮称)が八月末、桑折...[記事全文

カテゴリー:あぶくま抄

克服できる力(9月7日)

 大きな災害がまたも日本列島を襲った。今度は北海道の人々を恐怖に陥れた。震度7の地震で、尊い命が奪われた。安否が分からない人もいる。「自然災害が多すぎないか」。誰もが感じている。 大規模な土砂崩れが建物を巻き込んだ。札幌市内は、地盤の液状化によっ...[記事全文

カテゴリー:あぶくま抄