あぶくま抄・論説

日曜論壇

弱さの哲学を学び直したい(2月18日)

 司馬遼太郎は西の人であったが、大の東北びいきでもあった。その『街道をゆく』シリーズの一冊、「秋田県散歩」のなかには、東北人にはしばしば「高度の市民感情とか、精神の貴族性」が見られるといった言葉があって、読むたびにくすぐったい気分になる。司馬はそうした東...[記事全文

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冷凍食品が変わる(2月11日)

 食品の冷凍技術が新たな展開を見せている。冷凍の肉や魚を解凍したときに肉汁(ドリップ)が流れ出し、変色したり鮮度や味が落ちたりすることはよく知られている。この「冷凍障害」といわれる品質の劣化は、食品を凍結保存する間に氷の結晶が徐々に大きくなり(成長)、組...[記事全文

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聖「冬のポンプ屋さん」(2月4日)

 職業に貴賤[きせん]はないし、どの仕事もそれなりに大変なのはむろん承知している。海幸彦山幸彦の話を持ちだすまでもなく、どだい比べようがないのだし、かの福沢諭吉先生も他人の職業を羨[うらや]むことは世の中で最も下品なことだと断じている。 ただ、羨...[記事全文

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改憲と民族差別感(1月28日)

 福島の小学校以来の旧友から来た年賀状に「なんとか戦争を回避したいですね。私達にやれることはなんですか」とあった。それで私は早速、「女性『9条の会』」の改憲反対の署名用紙を送った。すると1週間の後にはもうその用紙の欄全体である10人分の署名が送られてきた...[記事全文

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趣味と論文(1月21日)

 趣味を問われた時、「論文書き」とでも答えようと思ったら、趣味の定義の中に「専門としてではなく、楽しみとしてする事柄」(広辞苑)とある。仕事は趣味ではなく、そうあってはならないと諭されているようだ。 日本コンクリート工学会の年次論文集の原稿締め切...[記事全文

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簡単ではない憲法9条改正(1月14日)

 安倍晋三首相が年頭の記者会見で、憲法改正のための国会発議に向けて並々ならぬ意欲を表明した。自民党の改憲案を提示し、今年中にも国会の発議に持ち込みたいとの意向を明言したのである。 「スケジュールありきではない」とも述べたが、どうみても政治日程に沿...[記事全文

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七草粥(1月7日)

 今日七日は「人日[じんじつ]の節供[せっく]」だが、七草粥[がゆ]を食べる日といったほうがわかりやすい。民俗学者の柳田国男は「本来季節の節目に神に供する食物の意、ゆえに節句ではなく、節供というべきだ」と『年中行事覚書』に記している。 唐の時代、...[記事全文

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イーゴリ公(12月31日)

 会津大学は今年、世界大学ランキングに初めて載った。日本の大学だけの順位だと13位タイに17校が入っており、その中の1校だ。東北では東北大学に次ぐ。 会津大学の世界への挑戦は、世界プログラミング大会参加から始まった。ピョートル大帝が設立したサンク...[記事全文

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雑感-国際情勢と相撲界(12月24日)

 今年もあと一週間で終わる。国内外を通してさまざまな出来事があった。わが国を取り囲む国際情勢は日を追って緊迫度を増しているように思われる。北朝鮮と米国は一触即発の状況にあると見る人も多い。「戦争によって物事を解決しない」という原則論が大切だと強く感じてい...[記事全文

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福島と台湾の絆のために(12月17日)

 はじめて台湾を訪ねた。たった数日間ではあるが、濃密な旅となった。何かが始まる、確かな予感がある。偶然に、東北のガイドブックを手に取った。台湾の出版社から刊行されているシリーズの一冊だ。若者たちがみずから取材し、みずから撮った写真で丁寧に編まれている。た...[記事全文

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