あぶくま抄・論説

日曜論壇

さよならキヱさん!(3月26日)

 3月16日の朝、お寺に一本の電話が入った。私をこの世に取り上げてくださった産婆さん、渡邉キヱさんが亡くなったのである。行年は103歳、みごとな大往生であった。 それは昭和31年、4月28日の夜遅くだったらしい。産婦人科の医師が父の友人でもあり、...[記事全文

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ポピュリズムの陰に(3月19日)

 1月15日のこの欄に私は「今、世界中がザワザワしている」と書いたのだが、この2カ月の間にザワザワが目に見えて大きく波立ってきた。今回のオランダの選挙で極右政党自由党が躍進すれば、その波が津波のようにヨーロッパに広がっていく恐れもあった。何しろ党首ウィル...[記事全文

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アクティブエンジニア(3月12日)

 グローバル化が進み、定年やその近くまで日本で活躍したエンジニアが他国で再登用され、その国の工学技術の発展に貢献しているという話を聞いた。定年退職といっても、知識と経験は残された者よりも豊富である。 求められたエンジニアは意気に感じて熱心に技術指...[記事全文

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メディアを敵視する大統領(3月5日)

 米国は自由と民主主義のリーダー国であるはずだ。しかし、トランプ大統領のメディアたたきを見ると、その看板に泥を塗る行為ではないかと感じる。気に入らないニュースに対して「フェイク(偽)ニュースだ」と決め付け、報じる「メディアは国民の敵だ」と公言する。常軌を...[記事全文

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「ウィキペディア」の取り扱い(2月26日)

 『や、此[これ]は便利だ』。なんともユニークだが、これは1914(大正3)年、下中弥三郎(芳岳)がポケットサイズの新聞用語集を出版した際に使った書名であり、流行語にもなった。最初に出版した成蹊社が経営難になったために下中が買い取り「平凡社」という社名で...[記事全文

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英知を結集する仕組み3(2月19日)

 平成26年1月、福島第一原発の海側にあるトレンチ内に氷の壁を作る模擬試験が川崎市で行われたので見学した。その後、原子力規制委員会の特定原子力施設監視・評価検討会に出てこの試験について感想を述べたところ、規制庁の人たちが一斉に私の方を振り向くという出来事...[記事全文

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常識が通用しない時代へ(2月12日)

 このところの世界の動きを見て感じることは、新しく登場する各国の首脳の中に、これまでの価値基準とはだいぶかけ離れた言動の人が目立つことである。それも驚きを禁じ得ない言動だ。国家を代表するような人物は人格識見に優れ、礼節を重んじ、謙抑的に行動するというのが...[記事全文

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経世済民の旗は下ろさない(2月5日)

 わたしは民俗学者である。とりあえず、どこかでためらいの気持ちは覚えながら、そう名乗りしてきた。常に自らが民俗学者であることそれ自体に、屈折した感情を抱え込んできたのである。民俗学の落日が語られるようになって、すでに10年か20年の歳月が過ぎ去った。落日...[記事全文

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塩素系消毒剤は万能か(1月29日)

 ノロウイルスによる食中毒を予防するため、学校給食など大型の調理施設で魚介・食肉類や調理器具、食器などの殺菌消毒に、次亜塩素酸ナトリウムや亜塩素酸水など塩素系消毒剤が、昨年7月から使用できるようになった。 ノロウイルスに対する、この種の消毒剤の有...[記事全文

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「つぶやき」のヘイト政治(1月22日)

 いつから人々は、なにかを嫌うことを権利として認めるようになったのだろう。しかも私的な場面ではなく、公の場での話である。 思うにそれは「嫌煙権」という言葉からではなかったか。 好きとか嫌いというのは価値判断というより情緒、感情であり、タバ...[記事全文

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