あぶくま抄・論説

日曜論壇

危うい優生思想(5月28日)

 デザインベビーという言葉が使われるようになって久しい。アメリカではノーベル賞受賞者の精子を高く買い、美人でグラマラスな女性の卵と受精させる、というのもあながち冗談ではないらしい。 神への冒涜[ぼうとく]、あるいは自然への挑戦と言ってもいいこうし...[記事全文

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「共謀罪」は危ない道へ(5月21日)

 今、世界ではこれまでの体制を揺るがしかねない重大な政治的な動きが次々に起きている。国内的にも決して安泰とは言えない政治的な状況が連日、続いている。 その中でも私たちの暮らしに直接、重大な影響を及ぼすと考えられるのは、犯罪を計画段階で処罰する「共...[記事全文

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日大工学部70周年を迎えて(5月14日)

 郡山市田村町にある日大工学部は、今年も桜の時期に校内を一般開放した。日曜日には準備した毎年恒例のお団子500個が瞬く間にはけた。市観光協会発行の「さくら物語」には「日大の桜-敷地内には約350本の桜があり、正門周辺から本館前にかけての桜並木は見事」と紹...[記事全文

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教育勅語と憲法施行70年(5月7日)

 昭和16年に太平洋戦争が始まる直前から敗戦後までの間、政党と小学校がなくなった時期があった。近衛文麿首相が「臣道実践」を掲げて結成した大政翼賛会に、全政党が解党してなだれ込んだ。政党政治の基盤が完全消滅し、軍部による政治支配が完成する。 明治時...[記事全文

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知の拠点・図書館(4月30日)

 かつて流行語にもなった「記憶にございません」という言葉、随分と古い話だが、私はいまだに記憶に残っている。加えて昨今は「記録にございません」という言葉が大手を振っている。いや、記録として保存したくないので記録を破棄しました-と、平然と回答するのを聞いてあ...[記事全文

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英知を結集する仕組み4(4月23日)

 米国原子力規制委員会(NRC)は、スリーマイル島第二発電所の廃炉工事は通常の審査と大きく異なると判断し、事故の翌年に廃炉計画局を現地に設けた。NRCの当初からの方針は、公衆の安全と利益のために最善の決断ができるよう、権限を大幅に委譲された技術スタッフを...[記事全文

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満開の桜と内憂外患の兆し(4月16日)

 2年ほど前に亡くなった母は、生涯の大半を過ごした福島県三春町の、樹齢1000年ともいわれる天然記念物のしだれ桜「滝桜」をこよなく愛していた。母は著書の中で、この滝桜に対する思いを、中国の漢詩の一節「年年歳々花相似(ねんねんさいさい はなあいにたり) 歳...[記事全文

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風土に根ざして、内発的に(4月9日)

 帰還をめぐって、さまざまな思いや情景が交錯する。胸が締め付けられるような気分から逃れることができない。戻る人にも、戻らない人にも、ともに事情があり思いがあり、その、いかなる選択も尊重されねばならない。そう、何度でも、確認しておきたい。人々はみな、苦渋の...[記事全文

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乳児用液体ミルクの登場(4月2日)

 乳児用液体ミルクが注目されている。昨年4月の熊本地震で、フィンランドから災害支援物資として乳児用の液体ミルクが届けられ、多くの母親がその利便性を実感したためだ。 海外生産の乳児用液体ミルクは粉ミルクと違い、哺乳瓶の洗浄、消毒や調乳する温水、熱源...[記事全文

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さよならキヱさん!(3月26日)

 3月16日の朝、お寺に一本の電話が入った。私をこの世に取り上げてくださった産婆さん、渡邉キヱさんが亡くなったのである。行年は103歳、みごとな大往生であった。 それは昭和31年、4月28日の夜遅くだったらしい。産婦人科の医師が父の友人でもあり、...[記事全文

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