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大吟醸向け酒米開発 平成29年度にも試験醸造

 県は大吟醸酒の醸造に向く酒造好適米の開発にめどがついたとして、早ければ平成29年度にも本格的な試験醸造に入る。県オリジナル品種「夢の香(かおり)」は大吟醸酒には向いておらず、蔵元から改良を求める声が上がっていた。県産米で造った清酒を全国にさらに売り込み、東京電力福島第一原発事故の風評払拭(ふっしょく)につなげる。
 大吟醸酒は50%以上精米したコメで醸造する規定があるが、芯の部分に当たる心白(しんぱく)まで削ると割れてしまう傾向が強い。県が開発を進めている酒造好適米は心白の割合を減らし、60%以上精米できるようにした。日照時間が短く寒冷な土地でも栽培に適し、病気や風に強い品種を目指す。
 県は平成元年から、大吟醸酒向けの最高品種「山田錦」などを親に交配を続けてきた。現在までに約20系統の有望種が誕生しており今後、専用の機器で分析し、心白がコメの中心にバランスよく入った品種を絞り込む。
 県内の蔵元と協力して29年度にも試験醸造を始め、30年度中に国に新品種として登録申請する方針だ。早ければ東京五輪が開かれる32年にも、新たなコメで造った県産の大吟醸酒がお目見えする。
 県は新たな酒造好適米などの供給と需要のバランスを取るため、農業団体と蔵元が情報交換する場を新設する。
 山田錦は日照時間が長く温暖な西日本での栽培に向いており、県内ではほとんど作付けされていない。県の「夢の香」は心白の部分が大きいため、50%以上の精米に向かず、大吟醸酒を造るのは難しいとされている。
 県によると、県内の蔵元が全国新酒鑑評会で金賞を受賞している大吟醸酒の約8割は兵庫県産の山田錦など県外産が使われている。県が昨年9月に県内55の蔵元を対象に行ったアンケートでは、回答した42の蔵元のうち31の蔵元が「県産の酒造好適米の生産量を増やしてほしい」と要望した。さらに以前から、「地元産米を使った日本酒で、全国の鑑評会で金賞を取りたい」と、大吟醸酒の醸造に適した品種の開発を求める声が上がっていた。
 県農業振興課は「全国から注目される県産酒の販路を広げ、県産米の風評払拭にもつなげたい」としている。
 県内の清酒は平成26醸造年度の全国新酒鑑評会で全国都道府県で最も多い24銘柄が金賞に輝いた。金賞が最多となったのは3年連続だった。

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