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事故原因究明を 避難者の思い法廷へ

 東京電力福島第一原発事故をめぐり、東電の勝俣恒久元会長(75)ら旧経営陣3人が強制起訴された29日、避難生活を続ける浜通りの住民から「法廷の場で事故原因を究明し、責任の所在を明らかにしてほしい」とする声が上がった。古里を離れて間もなく5年-。帰還の日はいまだに見通せない。「強制起訴は被災者の思いを受け止めた結果だ」と評価する意見も聞かれた。

 「強制起訴は当然だ」。大熊町の無職菅野正克さん(71)は、いわき市内の避難先で新聞の号外に目を通しながら、言葉に怒りを込めた。
 原発事故発生当時、双葉病院に入院していた父健蔵さんは長距離の移動を余儀なくされ、約3カ月後に亡くなった。99歳だった。家畜商として仕事一筋の人生を送り、周囲の人望も厚かった。棚の上に置かれた小さな遺影を見詰め、正克さんは「裁判で事故の原因は何だったのか、責任は一体誰にあるのか示してもらいたい」と亡き父の思いを代弁した。
 三春町の仮設住宅で暮らす富岡町の無職近正利記男さん(66)は「東電のトップがしっかり対応していれば事故は防げた」、福島市の仮設住宅に住む双葉町の無職山下忠宏さん(86)も「経営陣が津波対策を講じていれば被害は大きくならなかった」と語気を強めた。大熊町から会津若松市の仮設住宅に避難している無職武内正則さん(65)は「津波を予見できていたのに対応しなかったとしたら問題だ」と話し、公判での真相解明に期待した。
 川俣町山木屋地区から町内の借り上げ住宅に身を寄せている主婦近藤麻由実さん(28)は原発事故発生当時、2歳だった長男に放射線による健康影響がないか心配している。「原発災害の再発防止に向け、事故原因をはっきりさせて」と母親の立場から望んだ。
 避難先から川内村に戻った無職草野勝利さん(71)は「もっと早く刑事責任が問われるべきだった」と嘆いた。

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避難先で強制起訴を報じる号外に目を通す菅野さん
避難先で強制起訴を報じる号外に目を通す菅野さん

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