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県内に水素生産拠点 次世代燃料全国へ 首相表明

 安倍晋三首相は5日、平成32年の東京五輪・パラリンピックまでに福島県を国内向け水素の一大供給拠点とする考えを表明した。官民一体の「福島新エネ社会構想実現会議」を3月末に政府内に設置し、次世代燃料として注目されている水素エネルギーの先駆地とするための具体策を協議する。
 安倍首相は同日、視察先の楢葉町で記者団に「32年には福島で再生エネルギーから燃料電池自動車1万台分に相当する水素を作り、東京五輪での活用を考えている。福島を日本中に水素エネルギーを供給する一大生産地、水素社会の先駆けの地としたい」と述べ、林幹雄経済産業相に具体的な検討に着手するよう指示したことを明らかにした。
 安倍首相は昨年2月、通常国会の施政方針演説で水素社会の実現を表明した。ただ、国内では水素の流通量が不足しているのが実情だ。
 県は福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想のエネルギー関連産業プロジェクトとして水素社会の具現化を明記している。28年度から県内で実証モデル事業を行い、東京五輪までに首都圏への水素供給を目指す方針。政府は国を挙げて県の取り組みを後押しすることで復興の加速化につなげるとともに、国内流通量の不足解消につなげる。
 政府は県内で取り組みが進む風力や太陽光などの再生可能エネルギーを活用して水素を生産する方針だ。水素社会の実現に向けては、水素の大量貯蔵と長距離輸送技術の確立が課題になっている。既に県と産業技術総合研究所(産総研)福島再生可能エネルギー研究所が技術開発に着手しており、今後は政府と連携した取り組みも想定される。
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 内堀雅雄知事は今年2月、東京五輪で福島の復興を世界に発信するため、政府に対し水素社会の実現への支援を要望していた。内堀知事は「再生可能エネルギー先駆けの地を目指す県の要望を受け止めてもらい感謝している。今後も国や関係機関と連携を密にして復興に全力で取り組んでいく」とのコメントを出した。

※水素社会 石油などの化石燃料に代えて水素をエネルギー源として幅広く活用する。水素は燃やしても二酸化炭素を出さず、環境への負荷が少ないクリーンエネルギーとして知られる。日本では家庭用燃料電池の普及が進むほか、平成26年12月にトヨタ自動車が燃料電池車を世界で初めて一般向けに発売した。水素や燃料電池市場の規模は2050(平成62)年には8兆円に達するとの試算もあり、政府は補給拠点となる水素ステーションの増加を目指している。

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