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本社県民世論調査 復興「実感」2割 停滞感浮き彫りに

グラフ1
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グラフ2
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 福島民報社は福島テレビと共同で県民世論調査(第13回)を行った。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から11日で丸5年を迎えるが、県内の復興を「実感している」との回答は21・8%にとどまった。同じ質問をした平成25年3月の調査(第4回)に比べ12.2ポイント増えたが、依然として復興の実感が薄い現状が浮き彫りとなった。

 県内の復興を実感しているかどうかを聞いた結果は【グラフ1(1)】の通り。「実感できない」と回答した人は43.5%で、「実感している」と答えた人の約2倍となった。「実感できない」とする回答は3年前の調査の80.4%を下回ったが、震災と原発事故から約5年が経過しても約半数が復興が進んでいないと感じている計算だ。
 男女別では、「実感している」と答えたのは男性21.6%、女性21.9%、「実感できない」が男性49.9%、女性37.6%となった。
 年代別では、「実感している」は20代の38・9%が最多で、40代の36.1%、50代の27・0%と続いた。「実感できない」は70代の50・3%が最も多く、60代の49.2%、30代の38.9%の順だった。
 県内では市町村の除染や各種復興拠点の整備が進み、復興への取り組みは徐々に形になり始めた。一方、いまだに10万人近い県民が県内外で避難生活を送っており、仮設住宅で約1万8千人が暮らしている。「震災(原発事故)関連死」は直接死を上回る2千人超を数える。県内の環境回復の柱となる中間貯蔵施設整備は地権者交渉の難航などで、中長期的な見通しは不透明なままだ。

■「現状理解されていない」 7割超に上昇
 世論調査では、県内の現状が国民に正しく理解されていると思うかどうかも質問した。「理解されていない」が73.2%に上り、「理解されている」の6.1%を大幅に上回った。
 結果は【グラフ1(3)】の通り。「理解されていない」との回答は平成27年3月の調査(第9回)に比べて1.6ポイント増え、風化や風評に対する県民の懸念がうかがえる。
 復興を「実感できない」と回答した人の87.2%、原発事故の風化を「感じる」とした人の80.1%が、県内の現状が「理解されていない」と回答した。
 県内では風評などの影響で、観光客や教育旅行の宿泊者数が原発事故前の水準に戻っていない。
 県は県内の現状を正しく理解してもらうため、平成28年度当初予算案に風評・風化対策費として75億円を盛り込んだ。2020年東京五輪・パラリンピックの事前合宿を誘致し、復興の発信と風評解消につなげるための活動を本格化させる。国内外の旅行者の受け入れにも力を入れる。

■風化感じる7割
 原発事故について、国内で風化していると感じるかどうかも聞いた。風化を「感じる」は70.0%で、平成27年3月の調査(第9回)より10.7ポイント上昇した。「感じない」の14.8%を大きく上回り、事故の記憶が風化することに対する県民の危機感が鮮明となった。
 男女別で、風化を「感じる」は男性、女性とも70・0%を占めた。「感じない」は男性16.7%、女性13.0%だった。
 年代別では、「感じる」は50代の77.9%が最も多く、次いで60代の76.6%、40代の75.0%と続いた。「感じない」は20代の27.8%が最多で、70代の17.1%、40代の13.9%の順だった。

■内閣支持率微減33.8% 望む復興政策「景気対策」最多
 福島民報社と福島テレビが共同で実施した県民世論調査(第13回)では、安倍内閣を支持するか聞いた。「支持する」は33.8%で、平成27年12月の前回調査(第12回)の34.7%から0.9ポイント減少した。支持率が下落するのは同年6月の第10回調査以来。「支持しない」は前回より0・1ポイント増の44.4%で、ほぼ横ばいとなった。

 安倍内閣を支持するかを聞いた結果は【グラフ2(1)】の通り。男女別では、「支持する」は男性の38.9%、女性の28.9%、「支持しない」は男性の47.6%、女性の41.4%だった。
 年代別では、「支持する」は80歳以上の52.1%が最多で、30代の38.9%、50代の36・1%の順だった。一方、「支持しない」は60代の50.8%をトップに、30代の50.0%、50代の46.7%などと続き、80歳以上を除いて全年代で40%を超えた。
 安倍政権に望む復興政策は「景気経済対策」が35.6%で最も多く、前回調査(第12回)より3.6ポイント増えた。「風評対策」13.2%、「除染」10.5%、「県民の健康管理」9・3%と続いた。

■内堀知事支持率72.8%
 内堀雅雄知事に対する県民の支持動向も調査した。「支持する」と答えたのは72・8%で、過去最高となった前回調査(第12回)に比べて0.1ポイント減となったが、引き続き7割以上の高い支持を集めた。「支持しない」は7・5%で、前回より3.8ポイント減った。
 結果は【グラフ2(2)】の通り。男女別では、「支持する」が男性の71.5%、女性の74.1%を占め、男女とも高い支持を得た。「支持しない」は男性の10.1%、女性の5.1%だった。
 年代別では、「支持する」の回答が最も多かったのが80歳以上の81.9%で、次いで70代の77.3%、60代の71.4%、50代の70.5%の順だった。
 内堀知事を支持するとした回答者の理由は「震災復興対策」が15.5%と最多で、「その他」14.8%、「県外に向けての情報発信力」14.0%と続いた。一方、支持しないと答えた人の理由で一番多かったのは「原子力損害賠償問題対応」で、16.7%だった。

■放射線を意識49.9% 4回連続で5割下回る
 普段の生活で放射線を意識しているかどうかも聞いた。「意識している」と回答したのは49・9%で、前回調査(第12回)の46・8%に比べ3・1ポイント増えたが、平成27年6月の第10回以降、4回連続で5割を下回った。
 今回の調査結果は【グラフ2(3)】の通り。「意識していない」との回答は40・9%で、前回より3.5ポイント減った。
 男女別では「意識している」は男性の47.8%、女性の51.9%、「意識していない」は男性の44.1%、女性の37.8%だった。

【調査方法】5日、市町村の有権者数の割合に応じて電話帳から抽出した家庭用電話にダイヤルするRTD(ランダム・テレフォンナンバー・ダイアリング)方式によって実施した。717人から完全回答を得た。男女比は男性48・4%、女性51・6%。東京電力福島第一原発事故で住民の多くが避難生活を送る双葉郡と全村避難が続く飯舘村の計9町村の家庭にも電話をかけたが、回答があったのは広野町と川内村のみだった。

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