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災害再現しロボ開発 国と県共同のイノベーション構想概要判明

 国と県が共同で進める福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の拠点施設「ロボットテストフィールド」の整備概要が判明した。火山災害や土砂・トンネル崩落などの模擬設備、ダムや河川の水流を再現した施設、降雨・耐風試験場などを整え、大規模災害に対応するロボット開発の国内拠点とする。今月中に詳細計画をまとめ、平成28年度に着工する。

 実証試験の対象とするロボットは陸上、水上・水中、無人航空機(ドローン)の3分野。陸上ロボット向けでは「可変式多機能災害模擬設備」を整備する。巨岩などのがれきを備え、土砂崩落現場で災害調査するロボットの試験に活用する。崩落したトンネルや道路も設置する。
 水上・水中ロボットについては、大型水槽で水流を再現し、ダムや河川の点検、災害時の調査に対応するロボット開発に生かす。水没模擬市街地も設置する。ドローン向けには試験飛行用グラウンドをはじめ、風雨の耐性を調べるための設備や滑走路を用意し、災害調査や物流に向けた機能の試験に活用する。
 各分野とも、これらの設備を活用することで、過酷な状況下でも正確に災害状況のデータを取得できるよう、ロボットの性能を試験、評価する。県は「陸海空全てで災害対応ロボットを試験、訓練できる国内唯一の拠点」と強調。民間需要にとどまらず、消防庁や警察庁、自衛隊による活用を見込む。ロボットの認証制度、操縦者の技術検証制度についても研究を進める。
 ロボットテストフィールドは国の財政支援を基に県が整備し、県が新たに設置する運営法人で運営する。28年度に着工し、一部を供用開始する方針。29年度に完成させる予定だ。
 県と国などで構成するロボットテストフィールド・国際産学官共同利用施設検討委員会は候補地選定の要件として約50ヘクタール以上の面積や28年度早期に事業着手できる用地、ドローン飛行のための空域確保、十分な生活インフラ整備―など6項目を挙げている。
 施設整備は相双地方が有力とみられており、誘致には現時点で南相馬市が名乗りを上げているほか、複数の自治体も検討している。県が28年度早々に候補地を選定する。

■国の関わり不透明雇用創出未知数
 ロボットテストフィールドをめぐっては、国と県が今年1月、双方の役割を明記した協定を結び、県が新設する法人が施設を運営することとなった。ただ、国が運営にどの程度、具体的に関与するかは不透明な上、十分な雇用創出につながるかも未知数だ。県は運営法人の下で国と共同で設置する運営戦略会議の中で、国が中長期的な対応を明確に示すよう求めていく考えだ。
 協定では施設整備後も法人の自立経営が可能となるまで、国が運営費を確保することが盛り込まれた。しかし、運営自体に国が直接関わるかどうかは未定。ロボット認証制度は対外的な信用性が求められるため、県は国による制度運用を要望する方針。
 イノベーション・コースト構想は浜通りの雇用創出を目的の一つとしているが、研究・開発、試験などを主眼とするロボットテストフィールドの整備で雇用をどれだけ確保できるかが問われる。
 県は浜通り地域でロボット技術開発に取り組む企業への財政支援を通して、関連企業を集積し、雇用創出につなげたい考えだ。

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