県内ニュース

主要

  • Check

ため池除染、国と東電負担 県、モデル工法普及へ

 東京電力福島第一原発事故に伴う農業用ため池の除染で、汚染土壌を取り除く費用には福島再生加速化交付金を充て、中間貯蔵施設に搬入する経費は東電が負担する。13日までに、関係省庁などが協議して枠組みを決めた。県内農家から対策を講じるよう求める声が上がっており、県は平成28年度、実証試験で確立した工法を市町村に普及し、早期実施を促す。

 ため池除染の費用負担の枠組みは【図】の通りで、環境、農林水産、復興などの各省庁と東電が合意した。
 放射性セシウムを含む汚染土壌を取り除く除染と現場保管の費用には、復興庁から市町村に交付される福島再生加速化交付金を活用する。現場保管した場所の原形復旧と仮置き場などの設置、中間貯蔵施設への運搬経費は東電が支払う。実施主体は市町村のほか、土地改良団体などを想定している。
 ため池除染は福島第一原発事故に伴う除染作業の費用を国が東電に求めるとした放射性物質汚染対処特措法の対象外となっている。関係予算を捻出する枠組みが決まっていなかったため、県は国費で賄い、中間貯蔵施設にため池の汚染土壌を搬入するよう国に要望していた。
 昨年二月、当時の望月義夫環境相が汚染土壌を中間貯蔵施設で受け入れる方針を打ち出した後、関係省庁と東電の間で費用負担をめぐる協議が本格化した。

■15市町村270カ所計画

 県内では中・浜通りの15市町村が少なくとも合わせて約270カ所でため池除染を計画している。県は28年度、県北、県中、相双の三地区ごとに、各市町村の担当者を集めた講習会を開き、測量、実施設計、工法、一時保管などのモデルを示す。
 農水省と県は25年度から、ため池40カ所でさまざまな除染工法の検証を重ねてきた。この結果、強力なポンプによる土壌の吸引、重機による掘削などの手法が有効だと確認した。
 農水省と県が、中・浜通りを中心としたため池2956カ所で実施した水底土壌モニタリング検査では、約25%に当たる730カ所で指定廃棄物に該当する1キロ当たり8000ベクレル超の放射性セシウムが検出された。一方、農家からは豪雨などの際、汚染土壌が下流の水田や水路に流出する恐れがあるとして、早急に除染するよう求める声が上がっていた。
 県農地管理課は「国と県で確立した除染のノウハウを市町村に伝え、ため池の放射性物質対策を加速させたい」としている。
 ただ、中間貯蔵施設への本格輸送開始に明確な見通しが立たない中、ため池除染が始まることに伴い、新たな仮置き場確保が課題となるケースも生じるとみられる。
 福島再生加速化交付金を活用し、ため池除染に取り組む予定の市町村は次の通り。
 ▽県北=福島、川俣、国見、桑折、大玉▽県中=郡山、須賀川、田村、三春、鏡石、玉川、天栄▽相双=南相馬、楢葉、広野(川俣、広野は平成27年度内に着工)

カテゴリー:主要

主要

>>一覧