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両陛下ご来県 帰還目指す村民励ます

 「より良い地域をつくられていくことを願っています」。16日に三春町の葛尾村役場三春出張所を訪問された天皇、皇后両陛下は出迎えた関係者を温かく励まされた。村は4月1日に全ての役場機能を村内の本庁舎に戻し、帰還準備を本格化させる。住民は両陛下の思いを忘れず、古里の再生を目指すと誓った。

 両陛下は出張所内で松本允秀村長、住民5人と懇談された。村内で日用品などを販売してきたヤマサ商店店主の佐藤英人さん(75)は避難指示が解除されれば、村に戻って営業を再開したいと伝えた。天皇陛下は「商店ができると地域の人も喜ぶでしょうね」と応じた。石井食堂店主の石井一夫さん(60)も古里で再び店を開く考えだと説明した。
 村農業委員会長の松本敏美さん(65)は昨年、村内の水田で実証栽培したコメが全て出荷基準を満たしたと紹介した。天皇陛下の「風評被害でご苦労されたのでは」との言葉にうなずき、「知識を深め、全国に安全性を伝えていきたい」と営農再開に意欲をみせた。
 村内で建設業を営む松本石材建設社長の松本里美さん(47)は東京電力福島第一原発事故直後、村内で飼育されていた牛56頭の処分に携わった体験を語った。皇后さまから「ご苦労なさったのね」といたわりの言葉を掛けられ、込み上げる涙を必死で抑えた。「地元の建設業者として、生活基盤の整備などを通し復興の土台づくりを支えたい」と決意を口にした。
 村社会福祉協議会常務理事兼事務局長の新開正和さん(52)は避難生活を送るお年寄りが体調を崩すケースが多いと報告した。懇談終了後、記者団に「両陛下が避難者をお気遣いになっていると肌で感じた」と述べた。
 出張所のそばには葛尾村の住民が暮らす仮設住宅があり、両陛下は見送りに集まった住民に歩み寄り、「こちらの生活は慣れましたか」「お元気でね」と激励された。
 11日に行われた東日本大震災の政府主催の追悼式。天皇陛下は「困難の中にいる人々一人一人が取り残されることなく、1日も早い普通の生活を取り戻すことができるよう、国民が心を一つにして寄り添っていくことが大切と思います」とお言葉を述べられた。今回の被災地訪問には、人口規模の小さな葛尾村と宮城県女川町の二つの自治体が選ばれた。

■横断幕手に出迎え 郡山駅

 郡山市のJR郡山駅では、市民ら800人以上が日の丸の小旗や横断幕を手に両陛下を出迎えた。
 午後零時半ごろ、両陛下が駅西口広場に到着されると「ようこそいらっしゃいました」などと歓迎の声が上がった。市内逢瀬町の無職古川輝男さん(82)は「初めてお目にかかることができた。本当にありがたい」と感無量の様子だった。
 三春町から郡山駅に戻り、次の視察先である宮城県に出発される両陛下を見送った市内台新の主婦南部純子さん(41)は「お忙しい中、福島まで足を運んでいただき、勇気づけられた」と感謝した。

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三春町にある葛尾村役場出張所で、住民と懇談される天皇、皇后両陛下。中央は松本村長
三春町にある葛尾村役場出張所で、住民と懇談される天皇、皇后両陛下。中央は松本村長
横断幕を掲げて両陛下を歓迎する郡山市民ら
横断幕を掲げて両陛下を歓迎する郡山市民ら

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