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栽培ワラビ出荷拡大 県、セシウム抑制法確立

 県は畑で育てる栽培ワラビの放射性セシウム吸収を抑制する手法を確立し、農家への指導を本格化させている。取り組みの成果が現れ、昨年の喜多方市に続き福島市でも今春、出荷制限が解除される可能性が高くなっている。いわきなど他の市町村にも普及し、出荷できる地域の拡大を目指す。

■成果

 県は平成25年度、喜多方市で栽培ワラビの放射性セシウム吸収を抑制するための実証試験を始めた。水田に散布した結果、稲の吸収防止に効果が確認されたカリウムに着目。土壌のカリウム含有量を調べ、一定濃度以上になるようカリウムをまいたところ、生産された栽培ワラビの放射性セシウム濃度は対策を講じる前の3分の1に低減したという。
 ワラビを含む栽培物の山菜の出荷制限が解除されるには、検体の放射性セシウム濃度が検査で3回続けて食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を下回る必要がある。市内生産者13人が県の指導を受けてカリウムをまく手法を実践したところ、3回とも基準値をクリアした。このため、27年5月に喜多方市の栽培ワラビの出荷制限は解除された。

■明るい兆し

 県は昨年春から、福島市の栽培ワラビ生産者約50人に対し放射性セシウムの吸収を防ぐ手法を紹介している。これまで全員が2回の検査を受け、検体の放射性セシウム濃度はいずれも基準を下回った。3回目の検査は来月中旬以降の収穫期に予定している。3回連続で基準値を下回れば、出荷制限解除に向け林野庁と協議に入る予定だ。
 同市北部の茂庭地区で20年にわたりワラビを生産している山田正さん(65)は、一日も早い出荷再開を待ち望んでいる。「この数年は収穫しても捨てていた。寂しかったが、ようやく明るい兆しが見えてきた。解除されれば直売所などで販売したい」と声を弾ませた。
 県は今年から、いわき市の生産者に指導を始める。これまでに市内で行った実証試験では、放射性セシウム濃度が1キロ当たり約220ベクレルから約20ベクレルに低減した。

■途上

 県内では現在、山菜9品目が出荷制限、5品目が出荷自粛の措置を受けている。栽培ワラビを除く品目と野生キノコの放射性セシウム吸収を防ぐ対策は研究途上だ。
 出荷制限・自粛を受けた市町村が55と最多のコシアブラの実証試験では、土壌の放射性セシウム濃度が同レベルであっても、検体に含まれる濃度は場所によって異なっていた。吸収率に差が出る要因は判明していないという。
 野生キノコについては、年ごとに生える数に大きな開きがあるため十分なデータが得られていない。
 県林業振興課は「より多くの品目の出荷制限・自粛を解除できるよう粘り強く取り組む」としている。

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