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自治会解散相次ぐ 避難市町村の仮設住宅 役員なり手不足

 東京電力福島第一原発事故で避難指示区域となっている県内9市町村の仮設住宅で自治会の解散や休止の動きが出ている。平成27年3月1日時点で122組織あったが、26日までに11組織が解散や休止を余儀なくされたことが福島民報社の調べで分かった。中高年世代の転居などに伴う、自治会役員のなり手不足が背景にある。自治会は行政との連絡役や防犯、高齢者の見守り活動の中心となるだけに支援が急務となっている。
 
 ■会長不在
 平成26年度末から27年度にかけて解散や休止した自治会数の推移は【表】の通り。このうち大熊町は会津若松、いわき両市の計2組織、双葉町は郡山、いわき両市の計2組織、浪江町は福島市にある3組織がそれぞれ解散したり、活動を休止したりしている。
 浪江町生活支援課の担当者は「活動を支えていた中高年世代が都市部に家を建てたり、借り上げアパートを借りて仮設住宅から転居したりした結果、自治会の“担い手”が不足したことが一因」とみている。
 いわき市の大熊町のある仮設住宅の自治会は28年度の存続が危ぶまれている。役員のなり手がいないためだ。南相馬市鹿島区にある同市の2カ所の仮設住宅の自治会は会長を置かないまま運営せざるを得ない状態が続いている。
 
 ■募る不安
 「万が一、人けのない深夜に病気や事件などがあったときが心配」。三春町のもみじやま仮設住宅で暮らす富岡町の無職猪狩ひでさん(75)は声を落とした。自治会は2月末に解散した。それまで実施されていた夜間の見守り活動もなくなった。「会があるとないとでは大違い」。猪狩さんは不安がる。
 高齢者らの孤独死を防ぐ見守りを活動の柱としている組織も多い。多くが役員らの意欲に負うところが大きい。会津若松市の河東学園仮設住宅で23年7月から自治会長を務めている大熊町の無職武内正則さん(66)は「苦労も多いが、誰かがやらなくてはいけない仕事」と語り、活動の重要性を強調した。
 
 ■暮らしに直結
 福祉や行政関係者も自治会解散の動きに危機感を募らせる。仮設住宅を巡回する生活支援相談員を取りまとめる県社会福祉協議会の担当者は「身近で頼れる存在の自治会の解散は避難者の暮らしに直結する問題」と指摘する。
 現在、県内にいる生活支援相談員は約270人。よりきめ細やかな活動には「まだまだ足りない」(担当者)とみる。同協議会は28年度も県と連携して増員を目指す考えだが自治会の協力は不可欠だ。
 県社会福祉課は自治会の解散や休止は避難生活に支障が出かねないとみており、仮設住宅の実態把握に努める。同課は「避難元の自治体と協議しながら新たな支援の枠組みを検討していきたい」としている。

※仮設住宅の自治会 入居に伴い住民らが自主的に組織したり、自治体が設置を呼び掛けたりして仮設住宅単位で発足した。高齢者の見守り活動のほか、防犯・防火組織の運営、集会所やごみ集積場の管理などを担っている。自治会を設置していない仮設住宅や複数の仮設住宅を一つの自治会で取りまとめているケースもある。

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