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キセキ(1月9日)

 歌は時に聴く人を励ます。東日本大震災の後、さまざまな歌に勇気づけられた人は多いだろう。郡山市ゆかりの4人組GReeeeNも、そんな歌を送り出してきた。
 この4人組ほど不思議なグループはいない。本格デビューしたのは、ちょうど10年前の1月。全員が歯科医で、音楽との両立を目指し、素顔と本名を明かしていない。昨年12月、4人では初のテレビ出演となったNHKの音楽番組「SONGS」で、着ぐるみで歌を披露した。
 代表曲「キセキ」は恋人同士のこれまでの軌跡、出会いという奇跡を歌う。曲名にちなむ「それってキセキ~GReeeeNの物語~」(小松成美著、KADOKAWA)は事実を基にした青春小説として書店に並ぶ。今月末、グループを描いた映画「キセキ-あの日のソビト-」も封切られる。
 震災直後、リーダーは歯科医として支援に赴いた避難所で、少女が「キセキ」を口ずさむのを耳にし、逆に励まされたという。当時、県内で暮らす4人も被災者だった。歌の力を改めて知り、翌年からライブ活動にも取り組んできた。もちろん、特殊な映像効果を使って顔は見せない。励まし励まされ、「キセキ」は歌われ続ける。

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