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競り合う大俵引き(1月11日)

 冬の風物詩である会津坂下町と会津美里町の奇祭・大俵引きが14日に催される。同日開催は平成24年以来5年ぶり。坂下が1月14日、美里が1月第2土曜日に行っているためで、両町の関係者は「隣町に負けず、盛り上げたい」と熱が入る。
 会津坂下町役場東分庁舎に60年前の大俵引きの写真が飾ってある。激しく雪が降る中、下帯姿の若衆が二方から引き合う。ところが、写真を見る限り、当時は「大俵」ではない。高さは若衆の腰ほどだ。現在の直径2・5メートル、重さ5トンの俵とは比べものにならない。
 なぜ巨大化したのか。ライバルの存在が伝統行事の主役の大きさまでも競い合わせた。美里の俵も坂下に負けじと今では直径3メートル、重さ3トンに達した。過去には開催日を巡る綱引きもあった。1月15日だった美里が現在、第2土曜日としている背景には坂下に先を越されたくないとの思惑もあるという。
 二つの町が競い、大俵引きは進化してきた。催事を長年仕切ってきた長老は「美里あっての坂下、坂下あっての美里」と語る。同日開催の今年は例年以上に会津の冬を熱くする。見物客も負けていられない。会場で今年1年の多幸を引き寄せよう。

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