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県民健康調査受診率 低下に歯止めかからず 「3・11」から5年10カ月

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故を受け、県と福島医大が行っている県民健康調査(詳細調査)の平成27年度分の受診率(速報値)がまとまった。甲状腺検査、避難区域を中心とした住民向けの健康診査とも低下に歯止めがかからず、いずれも前年度を下回った。関係者は「震災、原発事故の健康への影響を把握するため、必ず受診してほしい」と訴えている。(本社報道部・後藤裕章)

 詳細調査の受診率の推移は原発事故発生当時、18歳以下だった県民を対象に、市町村を持ち回りで実施している甲状腺検査(27年度の対象・16万4406人)の受診率は67・7%となり前年度を5・7ポイント下回った。健康診査は15歳以下(同2万5296人)が30・1%で5・5ポイント、16歳以上(同19万19人)が21・7%で0・5ポイントそれぞれ低下した。
 一方、県民健康調査の一環で行い、震災、原発事故後のストレスや生活習慣などを調べる「こころの健康度・生活習慣調査」(同20万8433人)の回答率は21・6%で前年度を2・2ポイント下回った。妊産婦の体調の変化や避難生活への不安などを聞く「妊産婦に関する調査」(同1万4569人)の回答率は40・3%で、前年度から6・9ポイント低下した。

■健康維持へ受診呼び掛け

 福島医大の神谷研二放射線医学県民健康管理センター長は「避難生活が長期化する中、心身に新たな負担が生じている可能性がある」と指摘する。対策を講じるためには全体傾向の把握と分析が不可欠だとして甲状腺検査と健康診査を受診するよう呼び掛けている。
 県県民健康調査課は、検査を行う協力医療機関が市部に集中している点を受診率の低下が続いている要因に挙げる。医療機関までの交通費が負担になっているケースもあるとみている。民間病院などに検査の実施を求めているが、機器導入が必要となることなどから協力医療機関は増えていないという。
 同課は県内をはじめ県外にも協力医療機関を増やす働きかけを続ける一方、調査の回答率を上げるためインターネットの活用も検討している。

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