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故長田弘さん文庫開設 福島市出身の詩人 県立図書館

 福島市の県立図書館は5日、市内出身の詩人、故長田弘さん(元県文学賞審査委員)の全蔵書をそろえた「長田弘文庫」を館内に開設した。戦後日本を代表する詩人の創作の源泉に触れることができる。
 蔵書の一部を一般公開する専用コーナーの前で開設式が行われた。五十嵐浩治館長が「蔵書は長田さんの詩作のバックボーンと言える。文庫が地域の皆さんに親しまれるよう努めたい」とあいさつし、千葉養伍県立図書館協議会長、熊田孝教育庁参事とともにテープカットして祝った。
 文庫は詩集のほか、歴史や哲学、音楽などに関する本、自身の著作物合わせて8519冊。書庫で保管し、常時、約200冊を一般公開する。貸し出しはせず、館内閲覧とする。公開する本は定期的に入れ替える。
 コーナーでは、長田さんが影響を受けた本としてルーイス著「現代詩論」やオーデン著「オーデン詩集」、歌手ボブ・ディランさんの資料などを解説付きで展示している。
 長田さんは平成27年に亡くなった。生前、「本は一人のものではなく、読み継がれるもの」と話し、福島の図書館への蔵書寄贈を望んでいたという。遺志を受けた遺族が同年に寄贈を申し出て、県立図書館が整備を進めていた。
 県立図書館は文庫開設を記念しトークイベントなどを催した。
 はじめに「長田弘全詩集」の編集を担当した尾方邦雄さん(みすず書房編集部)と、長田さんの最後の取材者となった井上卓弥さん(毎日新聞社東京学芸部編集委員)が対談。エッセーや書評の分野でも活躍した希代の知識人の素顔を語った。
 尾方さんは「長田さんの読書は常に場所の記憶や旅とつながっている。蔵書を手にすると、その空気を感じることができるはず」と話した。井上さんは「長田さんの根底には戦争体験からくる日常愛があった。東日本大震災後も、同じような思いを抱いたとうかがった」と語った。
 引き続き朗読会を開き、福島テレビの元アナウンサーらが長田さんの詩「最初の質問」などを披露した。

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テープカットする(右から)五十嵐館長、熊田参事、千葉会長。後方が長田弘文庫
テープカットする(右から)五十嵐館長、熊田参事、千葉会長。後方が長田弘文庫

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