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大地に水の恵み再び 長沼・藤沼湖

 東日本大震災の被害から復旧した須賀川市長沼地区の農業用ダム「藤沼湖」は24日、7年ぶりに農業用水の供給を再開し、須賀川市西部の農地を潤した。ダム下流域の稲作農家らは震災の年の作付けを断念し、その後も雨水や川の水を利用するなど水の確保に苦労した。待望の給水再開に工事関係者や農家は水の恵みを喜び、農業再生と地域復興を期待した。

 午前10時ごろ、ダムを管理する江花川沿岸土地改良区の職員が取水ゲートを開くスイッチを押すと、ごう音を立てて湖水が滝のように流れ落ちた。7年ぶりに恵みの水が下流域の田畑に流れ込んだ。
 取水口から入った水はトンネルを通ってダム下の洪水吐(こうずいばき)と呼ばれる水路に流れ落ち、簀ノ子(すのこ)川や江花川に合流して須賀川市西部一帯の837ヘクタールの農地に行き渡る。受益者は約800世帯。貯水量は震災前と同じ150万立方メートルで本堤と副堤でせき止められている。堤体は東日本大震災級の地震にも耐えられるよう建設された。
 通水式では、桃井栄一県県中農林事務所長が工事の進捗(しんちょく)状況を説明した後、石堂伸二須賀川市産業部長の号令で取水ゲートが開かれた。桃井所長は「農業用水の供給再開で震災前の形に戻ったと思う。長沼地区のシンボルである藤沼湖に多くの人に足を運んでもらい、復興した姿を感じ取ってほしい」と語った。

※藤沼湖 須賀川市江花にある農業用ダムで昭和24年に完成した。平成23年の東日本大震災で決壊し、濁流が押し寄せた下流域で死者7人、幼児1人が行方不明になるなどの被害があった。県が25年10月に再建工事に着手し、昨年12月に堤体が完成、1月に試験貯水を開始した。水の需要がなくなる10月以降に貯水を再開し、満水までためて異常がないことを確認した後、須賀川市に引き渡される。ダムの管理は江花川沿岸土地改良区が担う。

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7年ぶりに藤沼湖からの農業用水の供給が再開され、水の放出を確認する職員
7年ぶりに藤沼湖からの農業用水の供給が再開され、水の放出を確認する職員

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