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【初の産業フェスタ】見せたい いわきの力(6月6日)

 いわき市のものづくりの力を発信する「いわき産業フェスタ」が11月24日から初めて開かれる。先月発足した実行委員会は、地元と首都圏の企業の交流による活性化と競争力強化や、新エネルギー産業創出の取り組みを通じて、子どもたちに夢と感動を与える方針を掲げた。商工会議所など主催者だけでなく、教育機関や他の産業団体にも地域の力に理解と関心を高めてもらう協力を望みたい。
 産業フェスタは、いわき駅前のいわき産業創造館(ラトブ6階)やペデストリアンデッキなどを会場に催す。首都圏企業とのビジネスマッチングの場を設け、市内の約30社の出展を予定している。小規模で知名度は低くても、確かな技術や独自の研究開発に努める企業に光を当てる考えだ。販路の拡大に限らず、大手の共同研究に関わるパイプづくりも期待される。
 新エネルギーでは、地元で可能性が広がる風力関連やバッテリー産業、水素社会についての講演が行われる。小学生がトヨタの燃料電池車と日産の電気自動車の仕組みなどを学べる実験教室を催す。超小型電気自動車や乗車した人の体の位置を感知して動く搭乗型移動支援ロボットの試乗もあり、近未来の姿を多くの人々に印象付けようという。
 いわき商工会議所創立50周年記念事業だが、いわきバッテリーバレー推進機構などとの連携も見逃せない。蓄電池関連産業の認知・集積を掲げる同機構が昨年秋に催したバッテリーバレーフェスタでは、宇宙飛行士が語る夢の実現や二足歩行ロボットとの触れ合いが、子どもたちの強い関心を呼んだ。今回の事業も夢と挑戦する気持ちを膨らませる役割を担ってほしい。
 いわき市は長年、年間の製造品出荷額が1兆円を超え、仙台市をしのいで東北一だった。震災後に抜かれたが、8000億円台に下がった出荷額は平成26年に9137億円まで回復した。情報通信機械、化学工業製品、輸送用機械などが大きな額を占め、食品や金属製品など幅広い分野でも実績を上げている。
 こうした力が市民に十分、認識されていないといわれる。産官学連携による人材育成を目指す、いわきアカデミアは今春、小学3年生向けの会社見学ガイドブックを作り配布した。見学可能な各事業所を分かりやすく紹介した。保護者や先生にも知ってもらいたいと子どもと一緒に勧めている。地元の産業が地域や国内、世界でどのように活躍しているかを認識することは、子どもの夢を育む大人の務めでもある。(浅倉哲也)

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