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【温暖化対策】「避暑地」へ出掛けよう(6月9日)

 環境省が後押しする「クールシェア」に、本県も今年度から取り組む。家庭のエアコンを止めて、趣旨に賛同した涼しい店舗などで過ごそうという運動だ。地球温暖化対策の一つで、涼む場所は「クールシェアスポット」と呼ばれる。参加店などを受け付け中で、7月から登場する。市町村や企業、経済団体などと連携して進めれば、地域活性化にもつなげられそうだ。熱中症にならない自衛策としても、遠慮しないで近くの「避暑地」に出向いてほしい。
 クールシェアの考え方は東日本大震災後、多摩美術大のゼミで生み出された。環境省の呼び掛けもあり、全国で広がっている。県の「スポット」に登録するには条件がある。休憩できる椅子があるなど、利用者がおおむね1時間以上過ごせる空間があったり、入場無料、もしくは有料の場合は利用者に特別なサービスを提供したりする-などとしている。
 登録された店舗や施設は県のホームページやスマートフォンで検索できるようになる。今後は募集開始を早めに行い、印刷物での紹介が欲しい。インターネットを使わない高齢者らに場所の情報を届けるには必要だ。店舗などにステッカーが貼られていれば「クールシェアをさせて」と言って利用できる。
 店舗の場合、クールシェアで訪れた人には積極的な営業活動をしないから、その時は収益を期待できない。代わりに、環境問題へ関心を寄せていることや地域貢献をアピールできるため、企業の好感度は上がるだろう。いつの日か、その会社の商品が選ばれる時が来るかもしれない。
 全国ではこれまで、公共施設のほか、ショールームや歯科医院、接骨院、銀行などが登録している。ショールームは普段、目的がないと入りにくいが、利用者にはいい機会になる。空き店舗に休憩所を設けた商店街がある。同時にイベントを催したりすることで、にぎわいもつくれる。
 家庭でもクールシェアができる。一人一台のエアコン使用をできるだけやめて、一部屋に家族が集まって過ごす。猛暑日には、「涼しさのおすそわけ」として、ご近所や友人同士が呼び掛け合って1軒に集う。特に高齢者は節電意識が高くエアコンの使用を控えがちだから、声を掛けてみてほしい。近所のシェアスポットも教えてあげよう。
 気象庁の6~8月の予報では、全国的に暑さが厳しい夏になるという。本県で「シェア」という考え方、夏の新しい過ごし方に賛同する人が増えればいい。(多田勢子)

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