あぶくま抄・論説

日曜論壇

  • Check

政治の潮目が変わる?(7月23日)

 先日、東京でひょうが降った。私宅はその近くの文京区だが、テレビの画面に突然「大雨 文京区」と出て驚いていると、1分もたたないうちに「ズドーン」とものすごい音で雷が落ちた。それから周りが真っ白に見えるような雨である。今どきの雷様はゴロゴロというようなのんきな音ではない。
 その雷も雨も風も、そして暑さも異常である。昔の人なら今の政治があんまりひどいから、天の神様が怒って異常な現象を起こしているのだと考えたことだろう。このところ地震も全国各地で毎日のように起こっているのだ。
 実際、今の日本の政治情勢は右往左往している。安倍内閣の閣僚たちが次々にあるまじき発言をするし、その周辺の高級官僚たちも含めて「記憶にない」という言葉が大流行している。この言葉を聞けば、実際にはあったのだと誰もが分かっている。20日には稲田朋美防衛大臣が「認識はない」と言って話題になっているが、これも新しい逃げ言葉になるだろう。
 国会では明24日は衆議院で、25日は参議院で予算委員会が開かれる。そこで加計学園問題などがどこまで明らかにされるか今は分からない。しかし多くの人々はこの問題の大体の筋道を感じ取っている。だから安倍内閣の支持率が大きく下がっているのである。
 森友学園問題以来、私たちには納得できないことが続いている。しかし、その中で私が最も注目しているのは前川喜平元文部科学事務次官の立派な行為である。霞が関一帯を覆っている防衛本能とでも言えるような堅い「岩盤」に、本当に初めて風穴を開けたからである。文科省の現職の人々の中に、前川さんに続けという空気があるという話もある。この風穴をふさぐような圧力をかけないように私たちはしっかり見ていなければと思う。
 一方、世界的にも天の神様が怒りそうな事態が進んでいる。その直接的な原因をつくっているのは米国のトランプ大統領である。環境保護についてのパリ協定から離脱し、貿易でも保護主義を唱えるなどなど…。世界史の流から逆行する危険な方向に動いている。そのため米国は信用を落とし、多くの国が米国抜きで進もうとする動きを見せ始めている。その中で核廃絶の問題などで、日本が米国に付き従っているのは大きな問題である。
 さらに直接的な問題は、北朝鮮に対して軍事的な圧力を強め、北朝鮮の核を中心とする軍事力の強化を刺激して、結果として軍拡競争を巻き起こしていることである。日本はただそれに従っているだけでいいのだろうか。そのトランプ大統領をロシアが裏で援助したということが今、重大問題になっている。それがもし本当だとすればロシアの野望は何なのか?その世界戦略は注意する必要があると私は思っている。(小島美子、国立歴史民俗博物館名誉教授、福島市出身)

カテゴリー:日曜論壇

日曜論壇

>>一覧