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「今後の運転」を考える(9月12日)

 病院の駐車場で少し足を引きずりながら歩くお年寄りがいた。そのまま自動車の運転席に乗り込み、知り合いと雑談を交わしている。「足が悪くて容易に歩けない。車がないと不便だ」。そう話してエンジンを掛け、ゆっくりと走り去った。
 喜多方署管内の喜多方市、西会津町、北塩原村に住む高齢ドライバーの運転免許証の自主返納が増えている。同署によると2015(平成27)年が49人、2016年が54人と微増した。今年は8月末現在で早くも107人が自主返納している。4カ月を残し既に昨年1年間の2倍になった。
 交通網が充実している都市部と違い、地方では車を持たないと通院や買い物などが不便になり日常生活に支障が出る。路線バスは減る一方で、バス停まで歩くのもおっくうだ。地方のお年寄りにとって車は貴重な移動手段だけに、自主返納は苦しくも勇気ある決断だろう。
 返納した理由は「身体機能の低下」が95人と圧倒的に多く、「家族のすすめ」(9人)、「必要がなくなった」(3人)が続いた。週明けの18日は「敬老の日」。自分を見つめ直し「今後の運転」を真剣に考えなければならない時は、誰にでも訪れる。

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