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【農産物の6次化】果物王国発信の力に(9月22日)

 県内の農産物の六次化への取り組みが、活発になってきている。今月初め、JAふくしま未来が福島市内で開いた「あんぽ柿六次化新商品発表会」に出席して強く感じた。「果物王国ふくしま」の名を、これまで以上に強く発信するさまざまな取り組みに期待したい。
 発表会では「柿入れ羊かん」と「あんぽ柿あいす」が紹介された。羊かんは「あんぽ柿本来の上品な甘さ」「豊かな柿の風味を感じる」、あいすも「ミルクとの相性が抜群」と、出席者から高い評価を受けた。併せて発表された「黄金桃あいす」「伊達の黄金桃ジュース」「巨峰あいす」「巨峰サイダー」というJA管内自慢の果物の六次化商品も試食したが、レベルの高さを感じた。
 印象的だったのは、菅野孝志代表理事組合長のあいさつだ。「果物王国を通年で味わえるようにすることが、復興の第一歩であるし、生産者の励みになる」との趣旨に膝を打った。果物を生食できる期間は短いが、加工すれば1年を通して味わってもらえる。つまり1年中、「果物王国ふくしま」をアピールできるようになる。
 桑折町も同様の思いで、六次化を進めている。今年発売した「献上桃ソルベ」は地元の「あかつき」の果汁を75%使用したシャーベット。香料は一切使っておらず、桃の香りが際立つレベルの高い氷菓に仕上がった。第2弾の商品の開発も進んでいる。町にとって、自慢の献上桃を通年でアピールできる「武器」になっている。
 あんぽ柿に関しては、福島商工会議所や郵便局の関係者でつくるあんぽ柿タルト普及推進協議会も熱心に商品開発に取り組んでいる。今年3月の発足以来、加盟している県北地方の菓子店やホテルの職人が独自のタルトを開発し、日々改良を加えている。今月13日の福島商工会議所創立100周年の記念パーティーではデザートとして提供された。女性だけでなく、男性の出席者も繊細な甘さに酔い、あんぽ柿の潜在力を確認した。
 六次化には大いなる可能性がある。しかし、単に加工すれば成功するというものではない。第一に素材の持ち味を生かし、おいしくなければならない。第二にネーミング、パッケージなども練りに練ったものにして発信力を高めなければならない。適正な価格も大切な要素だ。そして、六次化によって、あんぽ柿や桃などの素材自体の評価を高めることにつながらなければならない。関係者のさらなる挑戦に期待する。(芳見弘一)

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