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提灯祭り(9月26日)

 「お嫁に行くなら、お祭り大好きな若連の人の所って決めてました」。二本松市の小学校の同窓会で、女性が子ども時代の夢を明かした。「何だ、それは俺のことか」。元若連の男性がすかさず合いの手を入れ、笑わせた。
 伝統の提灯[ちょうちん]祭りが近づき、城下の秋は浮き立つ。10月4日の宵祭りでは7町の太鼓台が300個の提灯を揺らし街を進む。おはやしが響く。坂の上りは威勢よく、下りは静々と。「ほらどっこい」。子どもの元気な掛け声が飛ぶ。運行を仕切る若連のさっそうとした姿に「自分もいつかは、あんなふうに」と誓う。
 祭りが似合う男衆への憧れはお国を問わない。同じ東北の提灯祭りとして有名な秋田の竿灯[かんとう]は、46個の提灯をともした長さ12メートル、重さ50キロの竿[さお]を手、額、腰で支え高々と掲げる。風を読み、稲穂のようにしなる竿を自在に操る。「ええ、もてますよ」。毎年、秋田美人たちの前で妙技を披露している若者は、笑顔で胸を張った。
 竿灯は企業などの参加が年々増えているという。県内では担い手育成に苦労するところも多い。古里の祭りに足を運び、躍動する若者に声援を送ってほしい。地域の宝を継承する何よりの力になる。

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