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九月尽(9月30日)

 九月尽-。9月の末日を表す秋の季語だ。陰暦では秋の終わる日とされ、行く秋を惜しむ心を本意とする。現代の陽暦では秋の深まる頃となる。本来、情緒的な季節のはずだが、昨今の世情は感傷的な気分ではいられないほど慌ただしい。
 きょうで今年度上半期が終わる。半年で国際、国内情勢とも大きく変わってきた。繰り返される北朝鮮のミサイル発射実験は米国との一触即発の事態を招き、国内にもかつてない緊張感を漂わせている。国政や国会議員に絡む相次ぐ不適切な出来事は内閣支持率の乱高下をもたらし、突然の衆院解散に至った。
 東日本大震災から7年目に入った県内も変化が見られる。春に富岡、浪江、飯舘3町村と川俣町山木屋地区の居住制限、避難指示解除準備の両区域が解除され、復興に向けた新たな段階に入った。避難区域面積は区域再編時の3分の1に縮小した。各町村とも地域再生に向けた取り組みを進める。
 あすから10月だ。下半期は事実上の選挙戦に入った衆院選一色から始まる。突然新たな政党が生まれたり、かつて政権を担った野党が消滅したり、一寸先は見えない。秋を感じる風情を味わう暇などない日が続きそうだ。

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