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逆境に負けない心(10月5日)

 福島市の農道空港から世界王者が誕生するかもしれない。ふくしまスカイパークを活動拠点にするパイロット室屋義秀選手だ。飛行機の世界最高峰レース「レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ」で今季、総合2位につけ、14、15日に米国での最終戦に臨む。
 エアレースには2009(平成21)年から参戦しているが、平たんな道のりではなかった。東日本大震災ではスカイパークも滑走路が陥没するなど甚大な被害を受けた。震災の影響でエアショーなどの仕事がなくなり、廃業を覚悟した。地域の支援に後押しされ練習を再開できた。
 9月にポルトガルで行われた第6戦では予選の前々日、着陸時に機体フレームにひびが入り、出場断念の危機に陥った。他チームから部品提供を受けて修理し、ぶっつけ本番で予選に臨んだ。本選では6位に食い込んだ。
 室屋選手は著書「翼のある人生」(ミライカナイブックス)で「パイロットとして活動できるのも多くの人の支えのおかげ」と地元への感謝をつづっている。逆境をはね返し世界の舞台で戦う姿は、震災から復興に向かう県民を勇気づける。米国の空に舞う雄姿に声援を送ろう。

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