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【原発政策】どうする最終処分(10月13日)

 衆院選はあすから中盤戦に入る。憲法改正、消費税率の引き上げなどとともに原発政策が争点の一つになっている。「再稼働容認」「全廃」「当面は容認し、将来的に全廃」。各党の主張はおおむねこんなところか。ただ、いずれの公約や政策もピンとこない。使用済み核燃料など高レベル放射性廃棄物の最終処分という肝心の部分を明確にしていないためだ。
 原発を動かせば、使用済み燃料が出る。いつ、どこで最終処分するかについては全く見通しが立っておらず、各地の原発にたまり続けている。もうすぐ「仮置き場」である各原発の使用済み燃料プールは満杯になる。差し迫った問題であるにもかかわらず国の取り組みは鈍い。
 廃炉を進めるにしても同じ問題が付きまとう。原発は稼働していなければ安全というわけではない。東京電力福島第一原発事故は使用済み燃料プールの脆弱[ぜいじゃく]性と危険性を露呈させた。事故処理はもちろん廃炉においても使用済み燃料の取り出しと処分は最優先課題となる。廃炉に伴って新たに発生する放射性廃棄物の処分先も必要だ。
 ことほど左様に高レベル放射性廃棄物の最終処分が見通せないと、再稼働はもちろん、福島第一原発を含めた廃炉作業も立ち行かなくなる。必要不可欠だが、誰もが嫌がる究極の「迷惑施設」である処分場をどこに、どのように確保するのか。現在、国が進めている取り組みのままでいいのか。最初に問われるべきは、その点だろう。
 使用済み燃料や高レベル放射性廃棄物の扱いについて各党の公約・政策を見ると「最終処分の着実な推進」「処分方法に結論が出るまで厳重管理」「最終処分の法定化」「処分に向けた工程表の策定」といった趣旨の項目が目に留まる。ただ、いずれも具体性に乏しく、極端に言えば、何も語っていないに等しい。
 公約や政策にすべてを書き込めるわけではないと言うならば、各党と立候補者は選挙期間中、高レベル放射性廃棄物の最終処分に向けた道筋を丁寧に説明し、有権者の疑問に答えるべきだ。これまで同様、喫緊の課題の先送りを続け、最終的なツケを被災地や立地地域に回されてはたまったものではない。
 実現の手法や手順を説明できない公約は「票集めのスローガン」のそしりを免れない。対立軸を際立たせるために「動かす」「動かさない」といった表層の議論に終始していると事の本質を見誤る。各党、各候補者はよくよく考えるべきだ。(早川正也)

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