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平和な空を(10月20日)

 平和な空をください-。沖縄県民の願いは日本の安全を叫ぶ衆院選立候補者の耳に届くだろうか。米軍普天間飛行場配備の大型ヘリコプターが、同県東村の民家近くに不時着し、炎上した。
 2004(平成16)年、宜野湾市の沖縄国際大に墜落したヘリと同系統の機種だという。沖縄全体を激しい怒りに包んだ、あの事故の教訓は生かされなかった。県警は捜査着手を検討しているようだが、日米地位協定により日本側は原因究明に関われない可能性がある。翁長雄志知事の「強い憤りを感じている」との言葉が県民の思いを代弁している。
 沖縄では米軍関係のヘリや輸送機を巡る事故、女性への暴行事件が絶えない。しかし、その痛みは福島に住むわれわれも含め本土にどれだけ伝わっているのか。同じ国内だが、どこか遠くで起きた出来事に思える。県議や首長らが4年前、輸送機オスプレイの沖縄配備撤回を求め都内を行進した際、沿道から批判的な声が飛んだ。
 引退を決めた安室奈美恵さんら沖縄出身の歌手が基地問題を語る機会は少ない。それでも、国民の目を古里に向けさせたいだろう。全国に届けたい一番の思いは「平和な空をください」か。

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