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何を着て投票所へ?(10月21日)

 普段、和服を着流していた曽祖父は、その日に限って背広を着込み、ネクタイをきりりと締めていた。自分は制服で行くべきか、はたまた私服でよいものか-。幼い頃の記憶をたどった福島市の高校3年の男子生徒は悩んだ。衆院選の投票所に向かう服装である。
 選挙権年齢が引き下げられ、衆院選では初めて18、19歳も一票を投じる。次代を担う若者が候補者の訴えをどのように受け止め、いかに一票に反映させるのか注目を集める。真摯[しんし]な姿勢で選挙と向き合う若者を失望させるような候補者の訴え掛けはないか。目を凝らし、じっと耳を澄ます。
 選挙戦の最終日となった今日は、国際反戦デーでもある。日本は戦後70年以上にわたり戦争をしていない、世界でもまれな国だ。だが、国内では北朝鮮の脅威が増し、国外に目を向けると民族主義や自国第一主義が台頭し、無差別テロも相次ぐ。世界は不穏な空気に包まれようとしている。
 18歳選挙権の導入で若者の主権者意識を高めようという取り組みが県内でも盛んになっている。主権者としての自覚が国の将来を考える契機になる。果たして、私たち大人はどうか。そっと胸に手を押し当ててみる。

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