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サイレントマジョリティー(10月23日)

 彼女らの不服申し立てはどこに向けられているのか。欅坂[けやきざか]46は「笑わないアイドル」とも言われる。どこか不穏な空気も漂うミュージックビデオで、彼女らは見る側をにらんでいる。デビュー曲「サイレントマジョリティー」では「大人たちに支配されるな」と若者を挑発した。
 4月に出た4曲目は「不協和音」。アイドルグループには似つかわしくない刺激的な題名だ。衆院選公示前、混乱の渦中にあった政治家は、この曲を一人カラオケで歌いたいと言っていた。好きな歌詞を問われ「一度妥協したら死んだも同然」と答えた。
 さて、挑発された若者は「物言わぬ多数派」のままだったろうか。初めての投票を棄権した18歳は、結果を伝える本紙を見てどう感じているだろう。行かなくても結果オーケーだったか。それとも後悔か、むなしさか。
 人生の中の一度の衆院選ではあるが、ずっとサイレントではなめられる。身近で成すべきこと、したいことを少しずつ考えれば次の一票の動機になる。間もなく発売になる欅坂46の新曲は「風に吹かれても」。今のままを肯定するようでいて「なぜ奇跡的なチャンスを見逃してしまうんだろう」と挑発している。

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