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温かなまなざし(11月9日)

 認知症を患う高齢者の見守り活動をするネットワークが郡山市で産声を上げて2年になる。市内にある100近くの関係機関や事業所、団体などが名を連ね、職員や社員が行方不明者の捜索に一役買っている。
 4カ月ほど前になる。夏の暑いさなか、七十代女性の行方が分からなくなった。家族から通報を受けた事務局の市はすぐにファクスやメールで会員に協力を求めた。外回りをしていた情報処理会社の社員が挙動不審なお年寄りを見掛け、無事、保護につなげた。発見の決め手となったのは、前もって連絡会に登録してあった女性の写真だった。
 認知症高齢者の登録者は10月末現在、260人を数える。昨年の同じ時期と比べて2倍に増えた。行方不明の通報件数も増加傾向にあり、これまでに22件が寄せられた。女性のようにけがもなく無事に見つかるケースばかりではない。このうち3件は、発見された際に残念ながら既に息絶えていた。いずれも秋から春先にかけての寒い時期だったという。
 朝晩の冷え込みが厳しさを増している。保護が遅れれば遅れるほど、最悪の事態となる危険性は高まる。より多くの温かなまなざしが、お年寄りの命を救う。

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