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あづまの里(11月14日)

 新そばの季節を迎えた。なぜ、おいしいのか。秋に収穫されたソバは、昼と夜の大きな寒暖差で香りが良くなるためという。各地で行われている新そば祭りがにぎわう。県内では会津産の人気が高いが、福島市の吾妻の麓でも引けを取らないソバが作られている。
 荒井地区はソバに適した土地なのだろうか。地域おこしと遊休農地活用を目指して地元住民が2008(平成20)年に結成した、あづまの里「荒井」づくり地域協議会が耕作を始めた。今年は1・3トンの収穫があった。会員がそば打ちし、地元の催しで提供する。5日の民家園ふれあい祭りは、多くの来場者が舌鼓を打った。
 ソバの実は「あづま」と名付けた焼酎の原料にもなる。協議会はさらに、菜の花や大豆を育て、六次化商品として菜種油や納豆に加工する。地域にちなみ、商品名は「あづまの里の菜の花油」と「福島雪うさぎ納豆」だ。観光誘客へ、そば打ちや田植えの体験会も開いている。
 「活動が軌道に乗ってきた」と会員は笑顔を見せる。あづまの里の魅力を発信して、楽しく元気あふれる古里にしたいという願いが実を結びつつある。住民の熱い思いが、そばの絶妙な薬味になっている。

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