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子どもの声(11月15日)

 「子どもに『廊下を走るな』というのが無理なんですよ」という正直な感想を小学校の先生から聞いたことがある。ついでに言えば「静かにしなさい」も難しそうだ。
 子育て支援は先の衆院選の大きな争点の一つだった。自民党は待機児童解消のため、32万人分の保育の受け皿整備前倒しなどを打ち出していた。しかし、東京などでは騒音などを理由に、保育園の建設に周辺住民が反対するケースがある。誰もが泣き、叫び、走り回っていた自分を忘れてしまっている。
 子どもの文化、体育活動を支援しようと福島信用金庫が設けて5年目になる「子ども応援賞」の表彰式が行われた。審査のため練習の現場を訪れた金庫の役職員の誰もが、子どもたちのあいさつや生き生きとした表情、指導者の熱意に感激したことを語る。関係者に共通するのは「昔はどこにでもあった子どもたちの歓声を大事にしたい」という思いだ。
 ドイツでも1990年代、保育園の建設中止を求める訴訟が相次いだ。だが少子化への危機感が強まると「子どもの声法」が成立し、子どもの声は原則として騒音とは見なされなくなった。世界のどこでも子どもの声は宝物のはずだ。

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