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リンゴ福島7号(11月20日)

 サクッ-。一口かんでみる。みずみずしい甘さと芳香が口いっぱいに広がる。「リンゴ福島7号」という。正式な名前はまだない。福島市の県農業総合センター果樹研究所が開発を進めている新品種候補だ。福島りんご研究会が市内で開いた試食会でいただいた。
 1986(昭和61)年、主力品種「ふじ」のめしべに「王林」の花粉を交配させて種を得た。9年後、初めて実を付けた。食味はどうか、育てやすいか-。研究所で選抜試験が重ねられ、昨年、農林水産省への登録を目指す番号が付いた。30年かかった。
 「ほおずり」や「緋[ひ]のあづま」など、これまでも多くの県のオリジナル品種が世に出ている。現在は「べにこはく」が品種登録を申請中だ。福島7号には10月上・中旬にかけて収穫される中手系統の主力として期待がかかる。品質の高い人気品種が少ない時期を狙っている。
 研究所は来春、苗木を初めて試作農家に託す。実際に栽培してもらい、登録の可否を検討する。市場に出回るまでには、さらに10年程度かかるという。新しい品種は長い年月と多くの研究者や農家の丹精があって初めて生まれる。それを知ると、リンゴが一層味わい深くなる。

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