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農地の再生 模索続く 除染土再利用

 環境省は東京電力福島第一原発事故に伴う帰還困難区域の飯舘村長泥行政区で、村内の除染で生じた土壌の再生利用事業に乗り出す。除染土壌を敷き詰めて農地を造成し、園芸・資源作物の実証栽培を行う計画で、村内の田畑などに保管された除染廃棄物の早期撤去や農地再生が期待される。ただ、策定作業が進む同行政区の特定再生復興拠点整備計画との兼ね合いがあり、利用できる土地面積や除染土壌の搬入量などに不透明な部分が残る。(川俣支局長・村田利文)

 再生利用事業では、除染未実施の田畑などの表面を剥ぎ取り、村内で保管されている放射性物質濃度が一定基準以下の除染土壌を敷く。その上から汚染されていない土で覆う。周辺の空間放射線量などに問題がなければ、花卉(かき)などの栽培に使う予定だ。
 村内では田畑などに約230万立方メートルの除染廃棄物が保管されている。約60万立方メートルは村内蕨平行政区の焼却減容化施設で処理される可燃物で、残りの約170万立方メートルが土だ。再生利用事業が軌道に乗れば、除染廃棄物の早期撤去と村内全域の農業再生に光が差す。一方、県内の除染で発生し、中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)に運び込む予定の除染廃棄物の総量は約1520万立方メートルと推計されており、菅野典雄村長は「少しでも中間貯蔵施設への輸送の負担を減らし、県内の復興を進めたい」との狙いを明かす。
 ただ、長泥行政区内で活用できる除染土壌の量は見通しが立っていない。具体的な実証箇所の選定や再利用の基準となる放射性物質濃度は地権者や行政区との交渉次第となる。除染土壌で造成した農地の管理主体や管理態勢の確立も課題だ。

■実証通し安全確保 環境省
 長泥行政区の住民は再生利用事業による広範囲の土地の環境改善と活用を望んでおり、事業の推移を踏まえて特定再生復興拠点の計画作りを進める。鴫原良友区長は「もろ手を挙げて実証事業を受け入れるわけではないが、一メートルでも広く農地を再生してほしい」と期待を込める。
 環境省は新設する検討会で村での実証結果を協議し、2018(平成30)年度を目標に示す再利用に向けた手引の骨子案などに反映させる。伊藤忠彦環境副大臣は「長泥で花卉などを栽培したいという村や住民の考えは理解している。実証結果を基に安全性を確かめ、何が可能か見極めたい」としている。

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飯舘村の田畑などに保管されている除染廃棄物。再生利用事業が軌道に乗れば早期撤去が可能となる
飯舘村の田畑などに保管されている除染廃棄物。再生利用事業が軌道に乗れば早期撤去が可能となる

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