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日本酒とワイン(12月14日)

 県産酒を味わうイベントが各地で開かれている。県秋季鑑評会金賞蔵元がそろった福島市の集いで提供されたのは約100銘柄。土地柄や原材料、造り手により風味は千差万別だ。来場者は多彩な一杯を楽しむ至福のひとときを過ごしたことだろう。
 県産酒が福島の多様性を示すなら、ワインは世界の広がりを示すモデルとも言える。ブドウの品種とワインの特性を熟知して客に最適な1本を提供、的確なアドバイスをするソムリエが県内で続々と誕生している。来年1月にはこれまでの南東北支部から新たに福島支部が発足するという。
 試験は難関。知識を問う選択肢では原語が頻繁に登場する。ワイングラスを手に色と香り、味をみて産地と品種などを当てる実技試験もある。ワインの個性を把握するため膨大な知識と経験は不可欠だが、ワイン自体への愛情も大きな鍵となる。
 ワインを飲み慣れると、より複雑で個性の強いものを好むようになるという(田崎真也著「ワイン生活」)。純米酒や吟醸、大吟醸を求める心境に相通じワインと日本酒の接点を感じる。県産酒の奥深さが個性に由来することに思いが至った時、福島の酒への愛着が一層強まるのだろう。

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