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【安全なまち・郡山】認証取得機により前へ(12月29日)

 郡山市が来年2月、安全・安心なまちづくりの国際基準「セーフコミュニティ」の認証を取得することが内定した。県内初、国内では15番目。世界に通じる安全評価は郡山を売り込む看板となる。国内外からの誘客促進などに大いに生かしてほしい。同時に、認証取得をばねにして市民誰もが安全・安心を実感できるまちづくりをより強く進めなければならない。
 「セーフコミュニティ」は世界保健機関(WHO)が推奨する、安全・安心なまちづくりの国際認証制度。郡山市には11月に海外から認証審査員が訪れ、「交通安全」「こどもの安全」「防犯」「高齢者の安全」「防災・環境安全」「自殺予防」の6分野について関係者から説明を受け、現場を視察した。
 行政と市民一体の積極的な活動などが評価され、このほど市に内定通知書が届いた。
 認証取得の意義は大きい。観光客の目には、官民が連携してけがや事故予防のために努力を続けている都市は魅力的に映るはずだ。2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、誘客に活用したい。企業誘致を図る上でも好材料となる。
 ただ課題もある。市が昨年実施した市民アンケートでセーフコミュニティの認知度を調べたところ、「内容をよく理解している」「少し知っている」は合計12・1%、「よく知らない」「聞いたことがない」は合計83・7%だった。多くの人にとって、まだなじみの薄い片仮名語なのだ。取り組みの周知に力を入れる必要がある。
 市民に理解を深めてもらうには官民の協働態勢強化が欠かせない。いい例がある。市内ではJR郡山駅前の違法客引きをなくすために11月末、商店街や飲食業組合など幅広い団体でつくる対策協議会が発足し、行政、警察とともにパトロールを始めた。また、100近くの関係機関、企業、団体でつくる市認知症高齢者SOS見守りネットワークは2年前から行方不明者の保護などに協力している。
 このような官民一体の動きを活発にすれば住民の参加意識は高まる。個人レベルでも交通事故防止のための安全運転、家庭内での子どもやお年寄りの事故を防ぐための危険要素の除去など、身近にできることはたくさんある。認証取得を安全・安心の輪拡大の契機とすべきだ。
 もちろん、セーフコミュニティの名を背負う以上、地震や風水害などの大規模災害に対して行政が万全の対策を求められるのは言うまでもない。(佐藤研一)

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