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【放課後クラブ】さらに有益な時間に(1月9日)

 少子化対策は、保育所の整備など乳幼児期の子育て支援策が中心だが、放課後児童クラブ(学童保育)にも目を向けたい。共働き家庭などが増え、希望しても入れない待機児童が県内にもいる。国は施設整備費や運営費を補助しているが、利用する児童がクラブで過ごす多くの時間を、もっと有益にできないか。遊びや生活の場だけではなく、児童の成長に役立つさまざまな経験の機会や学習支援の機能も高められるよう、さらに議論を深めるべきだ。
 クラブ利用の登録には親の就労などが条件になる。学校の余裕教室や近くの民間施設などで、6年生までの児童が宿題をしたり、友達と遊んだりして過ごす。市町村が設けて運営する公立公営、委託された地域運営委員会や社会福祉法人などによる公立民営、民間がある。いずれも有料で、終了時間などは異なる。
 厚生労働省が昨年末に発表したまとめでは、2017(平成29)年5月1日時点で、クラブの利用児童数は約117万1千人だった。待機児童は1万7170人、本県は285人となっている。児童は自宅で留守番するか、親が働き方を見直さざるを得ない。政府は2018年度末までに約30万人分の新たな受け皿を整備する方針だ。
 多くの親子を支えているのは指導員だ。ただ、待遇改善の遅れが以前から指摘されている。資格がなくても働けるため、非正規職員を増やしてきた。児童との信頼関係を築くには時間を要する場合があるが、勤続年数は短く、大半は3年以下という調査もある。「放課後児童支援員」という認定資格がようやく新設され、都道府県の研修を受けた人に付与されている。今年度からは勤続年数や研修実績に応じて賃金を上乗せする制度が始まった。働く環境の向上は人材確保につながる。
 一方、文部科学省は全ての児童を対象にした放課後子ども教室の制度を進めている。学校の空き教室などを活用し、週1、2回程度、地域住民の協力を得て運動、物作り、学習支援などを行う。最近は子ども教室と児童クラブを融合、または兼ねる形で実施するケースがある。県内は棚倉町など19市町村、41カ所で取り組む。体験活動後、児童クラブの子どもは引き続き指導員の元で保護者が迎えに来るまで過ごす。広がりに期待したい仕組みだ。
 児童クラブのニーズは今後も高まるだろう。子ども自身が安心でき、これまで以上に楽しいと思える場にするには子どもの意見を取り入れることも大事だ。(多田勢子)

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