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「ふくしまの技」進化 ものづくり大賞県内2氏受賞

 政府のものづくり日本大賞で最高賞の内閣総理大臣賞に輝いた小松技術士事務所長の小松道男さん(54)=いわき市=、最高賞に次ぐ経産大臣賞を得た大七酒造社長の太田英晴さん(57)=二本松市=は受賞を契機にさらなる進歩を誓った。「先端技術を社会のために役立てたい」「県産酒の魅力を一層広める」。匠(たくみ)の飽くなき探究心は尽きない。

■最高賞 小松道男さん

 「環境に優しいプラスチック製品を流通させる挑戦が報われた」。受賞の連絡を受け、小松さんは満面の笑みを浮かべた。
 有害物質を含まず、土中でバクテリアなどに分解される植物由来の生分解性プラスチック「ポリ乳酸」の実用化に取り組んできた。
 研究開始は2005(平成17)年。強度を必要とする容器などへの技術転用に向け、成形技術の確立を目指した。
 石油由来のプラスチックに比べて環境に優しい一方で、ポリ乳酸は流動性に乏しく、加工しづらいなどの難点があった。大企業が相次いで量産化を断念する中でも諦めなかった。試行錯誤を経て成形技術の開発に成功し、日本をはじめ米、仏など世界で特許30件超を取得した。
 特許申請に関して助言し、代わって手続きをしている福島民報社のふくしま産業賞選考委員で、創成国際特許事務所会長の佐藤辰彦さん(71)=福島市出身=は「多彩な新製品の開発につながる画期的な技術」とみている。
 国内外の企業も注目している。連名で受賞した美和敬弘さん(45)が常務を務める愛知県新城市の豊栄工業は、幼児用の耐熱性食器「iiwan(いいわん)」に技術を活用。子どもの健康を気遣う子育て世代の人気を集めている。航空機用の使い捨てコップ、海外スイーツメーカーの容器への採用検討も進んでいる。
 小松さんは「受賞によって、ものづくりに懸ける思いを世界に発信できる機会を与えられた。技術の普及に向けて努力を続けたい」と先を見据えた。

■経産大臣賞 太田英晴さん

 伝統技術の応用部門で経産大臣賞となった大七酒造社長の太田さんは「伝統的醸造法の生●(きもと)造りを継承し、発展させてきた歴代の蔵人に感謝したい」と朗報をかみしめた。
 1752(宝暦2)年の創業以来伝わる生●造りを進化させてきた。コメの表面を効率的に均一に削る超扁平(へんぺい)精米技術を1995(平成7)年に導入して工夫を重ねた。本来の力強い味に洗練された飲み口を加えて国内外から高い評価を受けている。販路は海外20カ国にも広がった。2008年に北海道で開催されたG8洞爺湖サミット晩さん会の乾杯酒に採用され、オランダ王室の晩さん会でも愛飲された。
 ヨーロッパの有名ワインに肩を並べる世界ブランドを目指す。日本酒人気が定着している米国に加え、ヨーロッパやアジアでも食のイベントなどを通じて浸透を図っていく考えだ。「ブランド力を高める海外展開をさらに進め、世界の愛飲家を魅了する酒造りに一層力を入れる」と意気込んだ。
※●は配の己が元

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ポリ乳酸を原料とした子ども用食器「iiwan」を手に、喜びをかみしめる小松さん
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海外進出にも力を入れる高級酒を手にする太田さん
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