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ふくしまのいろ(2月7日)

 記憶に残る風景や懐かしい思い出は、さまざまな色をまとっている。太平洋の水平線から上がる初日の出、春の訪れを告げる満開の桜、家族と一緒に見上げた夏の空…。脳裏に焼き付いた色彩はいつまでも消えない。
 創立60周年を迎えた県印刷工業組合は先月、後世に残したい伝統色として県内の自然や文化、食にちなむ14色を「ふくしまのいろ」に選んだ。鶴ケ城の赤瓦、福島市の桃、伊達市のあんぽ柿のだいだい色、岩瀬きゅうりの緑、大堀相馬焼の青磁、猪苗代湖の紺碧[こんぺき]、常磐炭田の石炭の黒など。14色は地域性豊かな風土に根差し、人々の暮らしの中に溶け込んでいる。
 「ふくしまのいろ」に冬の色を探すと福島市立子山の凍[し]み豆腐の大豆色があった。寒さが厳しい季節に加工され、食卓を飾る。白河だるまの紅色もある。11日はだるま市だ。寒波が次々に来る今冬はモノトーンの白の印象が強いが、春が運ぶ色はいつもより鮮やかに感じるかもしれない。
 組合は「ふくしまのいろ」を広く発信するため、ロゴマークを作り、多様な活用方法も検討している。第一弾として色鉛筆を作るという。今後、14色がどのように使われていくのか楽しみだ。

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