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「うつくしま煌酵母」改良成功 県ハイテクプラザ若松

 県産純米酒の一層の品質向上に向け、県ハイテクプラザ会津若松技術支援センターは県オリジナル酵母「うつくしま煌(きらめき)酵母」の改良に成功した。煌酵母による純米酒造りの弱点だった酸の発生を抑え、甘味や香りを際立たせる。県は早ければ2019年度から県内蔵元に酵母を頒布し、県産酒の販路拡大につなげる。
 改良型の酵母の概要は【図】の通り。近年は手頃な価格で味の良い純米酒の支持が広がっており、純米酒向けの煌酵母改良が課題となっていた。会津若松技術支援センターは2014年度に酸味を抑える改良に着手した。
 酵母の元となる菌に薬品で刺激を与え、性質を変化させるなど研究を重ねた結果、「G30」から酒の甘味を高めるタイプと、香りをより華やかにするタイプの2種類、「R50」からは酒の切れを高める1種類を新たに生み出した。
 誕生した酵母による試験的な醸造に、2017年度に取り組んだ結果、煌酵母の特徴である高い香りを残しつつ、コメのうま味を味わえる純米酒ができた。2018年度は県内酒蔵の協力を得て最適な仕込み温度などの把握に努めた上で、希望する県内の蔵元に2019年度にも販売して新たな純米酒造りにつなげてもらう考えだ。

■県産酒販路拡大に期待

 煌酵母は2008年度に会津若松技術支援センターが開発した。鑑評会で高評価につながるリンゴやイチゴのような強い香りの酒に仕上がる。これまでに県内の40蔵元ほどが主に吟醸酒で導入し、定着し始めている。ただ、純米酒については、発酵時に生じる酸味が味わいを損なうとして、蔵元から改良を求められていた。会津地方の酒造関係者は「煌酵母を使った純米酒造りが本格化すれば、鑑評会でさらに評価は高まるはず」と期待を込める。
 県酒造組合によると、県産日本酒のうち、純米酒の出荷量は増加傾向にある。2016年度は4860キロリットルで、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故のあった2010年度の1.6倍に増えた。全国新酒鑑評会で県産日本酒の金賞受賞数が5年連続日本一となったのを追い風に、首都圏や海外の日本料理店で人気を集めている。だが、出荷量は県全体の3割程度にとどまっている。
 県は現在、2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、全て県産原料を使う日本酒の開発に力を注いでいる。会津若松技術支援センターは「改良した煌酵母を広め、福島ブランドの日本酒の地位向上に役立てたい」としている。

※純米酒 コメ、米こうじ、水のみを原料として製造した清酒。うま味やコク、ふくよかさなどが強い味わいが特徴。コメの周りを削り、芯の部分を使うと、より香りや味が良いとされる純米吟醸酒となる。周囲を削り、残った部分の割合を表す精米歩合が60%以下で純米吟醸酒、50%以下で純米大吟醸酒となる。

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