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避難解除後の交通改善 バス路線拡充、運転手確保 県など5年計画

 東京電力福島第一原発事故の避難指示が解除された区域で交通の利便性を確保するため、国、県、市町村などは2018(平成30)年度から5年間を計画期間に、自治体間を結ぶ路線バスなど広域交通網の拡充やJR駅からの2次交通体制づくり、バスやタクシー運転手の人材確保などに取り組む。生活圏ごとに交通事業者を交えた協議会を設け、具体的な新規路線などを検討する。整備指針となる県避難地域広域公共交通網形成計画が21日までに固まった。
 2018年度から5年間の計画の基本目標は【下記】の通り。今後の公共交通ネットワークのイメージは【図】の通り。震災後、いわき-富岡間や南相馬-福島間などで運行している広域路線バスについて新たな路線開設を検討する。詳細は今後詰めるが、双葉郡北部と県北地区、双葉郡と相馬地区などのネットワークづくりを視野に入れ、具体的には浪江-川俣町山木屋-福島間、川内-大熊町大川原-富岡間、富岡-南相馬間などを想定している。
 県によると、避難指示が解除された地域では、医療機関や商業施設の再開が遅れており、通院や通学、買い物で遠方に行く必要があるため、帰還住民から公共交通機関の整備を求める声が高まっている。新路線開設で病院が多い福島市や南相馬市、4月に県立ふたば医療センター付属病院が開所する富岡町と、被災地各地のアクセス向上を目指す。今後、浪江町津島地区や大熊町大川原地区への復興拠点整備による住民帰還も見据え、県北・相双北部、双葉南部、阿武隈山系周辺など地域ごとに検討を進める。
 2次交通の強化では、広域路線バスの乗降場や、JRの駅から自治体内を巡る乗り合いタクシーなどの導入拡大も検討する。特定区間が乗り放題になる定期券の導入、利用者への割引など住民が利用しやすい仕組みづくりも進める。福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想関連の研究施設などに行くためのバスやタクシー運行も検討する。
 県が避難住民や帰還住民に行った調査では1割ほどの人が通院や買い物での移動に支障・不安を抱えていた。帰還住民は通院や買い物、避難住民は通勤や通学での時間が30分以上かかる人の割合が多く、移動が大きな負担となっている。県などは公共交通網を整備することで、生活の利便性向上と住民の帰還促進を目指す。

【計画の基本目標】
□複数市町村にまたがる公共交通の再開・充実
□広域公共交通と域内公共交通の連携
□福島イノベーション・コースト構想拠点間の移動手段の確保
□避難地域の公共交通の利用促進と公共交通マネジメントの推進

■運行費負担など課題
 被災地の公共交通ネットワークの維持に向けては今後、運行経費の負担や収入の確保、運転手の定着などが大きな課題となる。
 広域路線バスは現在、国の補助を受けて運行しているが、2020年度までの復興・創生期間完了後の財源は不透明な状況だ。将来的に利用客を確保し、運賃収入を増やすため、計画ではバスや電車の利用を促す「カーフリーデー」の導入、公共交通利用の特典を紹介する事業なども盛り込んだ。
 交通事業者からは「震災後に運転手不足が深刻化している」との声が上がっている。バス運転手に必要な大型二種免許取得費用を補助する制度の創設なども進めるが、運転手を地域に定着させる仕組みづくりが一層必要となる。

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