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未来への門出(3月23日)

 県内の市町村立小学校はきょう、卒業式を迎える。東日本大震災の翌年に入学した約1万6千人が巣立つ。避難指示の解除で昨年、6年ぶりに地元で再開した南相馬市小高区の4小学校は計15人が式に臨む。
 1年前、4つの小学校を1カ所にまとめて授業が始まった。戻ったのは4校全体で62人だった。途中で2人増えたが、震災前の10分の1にも満たない。それでも、児童は毎日、元気いっぱい登校した。地域住民は見守り隊などを組織して応援してきた。道端で誰もが大きな声であいさつをする。ほほ笑ましい光景は貴重な日常となった。
 15人が卒業するのに対して、4月の新入生は7人の予定だ。ただ、学校全体の児童数は今年度より4人増えるという。学年ごとに、宮城や山形、西日本などの他県、会津地方などから戻る児童がいるからだ。隣の小高幼稚園の園児数は、4人から14人と3倍以上になる。
 学校が地域を元気にする力は計り知れない。浪江、富岡、飯舘、葛尾の4町村と川俣町山木屋地区で今春、再開する小学校への期待も高まる。小高の卒業生は、自分たちで地元のにぎわいを取り戻す夢を抱く。新たな門出が街の未来を照らす。

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