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【ネット通販が好調】相乗効果を狙いたい(4月16日)

 県のオンラインストア「ふくしまプライド便」による県産農林水産物の売り上げ増加に向け、県は2018(平成30)年度、販売促進策を強める。ストアは2017年6月に開設され、予想以上に好調だ。利用者を一層、増やすとともに、多方面への相乗効果を狙いたい。
 インターネット通信販売は直接、店に行かなくても買い物ができる、コメのような重い品物を自宅まで配達してくれる、などを理由に利用者が年々増えている。総務省が今月発表した全国調査によると、2月の利用世帯の割合は35・6%で、1年前より4・2ポイント向上した。
 県のストアは東京電力福島第一原発事故に伴う県産品の風評払拭[ふっしょく]、地域振興を目的に、ネット通販大手のアマゾン、楽天、ヤフーの3社と連携する。約140業者がコメ、果物、日本酒、魚の干物、肉など約3000商品を取り扱い、1年目の販売額は当初想定した6億円の2・5倍にあたる約15億4000万円に達した。利用者の97%は県外だった。特にコメは東京、神奈川、大阪など大都市圏で好評で、販売額の78%を占めた。
 県が取り組む販売促進策では、ネット販売の専門業者が新規出店を目指す業者の「相談窓口」となり、効果的な販売方法などに助言を与える。ホームページ制作、広告など支援内容に応じて約10万円または約40万円を助成する。新規出店を促して取り扱う品目を多くするが、コメ以外の商品の人気を高めるのが今後の課題となる。
 ストアに利用者をいかに導くかも問われる。県はネットの動画投稿サイト「ユーチューブ」に公式チャンネル、無料通信アプリ「LINE(ライン)」には公式アカウント「『食』と『ふるさと』新生運動」を持ち、さまざまな情報を発信している。これらを含めて、全国の地方紙やテレビ、ラジオで繰り返しアピールしたり、各地の県人会などの協力を得て知名度を上げたりするなど、工夫を凝らすべきだ。ネットが不得意、ネット販売が不安という人を取り囲むのも大切になる。初心者向けに手引書を作るなど、何らかの仕組みを講じる必要がある。
 ネットという仮想世界の取引だけでなく、利用者を県内に招いて復興に挑み続ける生産者の姿を実際に見てもらうのも重要だ。豊かな自然や歴史に触れ、福島の良さを強く訴えることが、口コミとして広がり、新たな利用者の獲得や観光客の増加につながる。相乗効果を上げるためには関係部局との綿密な連携が不可欠となる。(川原田秀樹)

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