あぶくま抄・論説

あぶくま抄

  • Check

伝えよう(4月16日)

 今年2月、JR仙台駅構内で手作りの冊子を通行人に配る福島大付属小児童の姿があった。「福島の果物と米は世界一おいしい!」。手書きの一文字一文字に古里への純粋な思いがにじむ。
 福島の良いところを探す授業で、4年生が1年かけて福島市と会津若松市の米や桃、柿の農家に取材し、3つあるクラスごとに冊子をまとめた。大きな街なら少しでも多くの人に伝えられるから、と思い付いた。付属小を知る人がほとんどいない中で、一生懸命に声を掛けた。
 県産米の全量全袋検査では2015(平成27)年産以降、基準値超えはない。それでも、東京電力福島第一原発事故の負のイメージが国内外で残っている。こうした出来事をよく知らない児童も少なくなかったようだ。胸を張って堂々と訴える姿を心に浮かべると、問題解決に向けた大人の責任の重さを改めて思い知らされる。
 春は今が盛り。県北地方では桃の摘花作業が始まっている。田んぼにはもうすぐ水が入る。児童は進級した今も、保護者に頼みながら冊子を福島市内の事業所などに配り続けている。「福島の果物と米は世界一おいしい!」。その言葉に、早くも実りの季節が楽しみになる。

カテゴリー:あぶくま抄

あぶくま抄

>>一覧