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挑み続ける姿(4月26日)

 「瀬古 独走V」。1987(昭和62)年4月22日付の本紙一面に見出しが躍る。ボストン・マラソンで優勝のフィニッシュテープを切った瀬古利彦さん(当時・エスビー食品)の雄姿と快挙を伝えている。30歳だった。
 あれから31年。31歳の川内優輝選手(埼玉県庁)が瀬古さん以来の優勝を果たした。瀬古さんは1984年のロス五輪で14位に終わり、次のソウル五輪を目指していた。一方、川内選手は自己記録をなかなか更新できずにいた。実業団選手と市民ランナーのスタイルの違いこそあれ、ボストンで自信を深めた点で相通じる。年齢的にも重なる。
 走るのが心地よい季節を迎えた。28日には川内村で「川内の郷かえるマラソン」が開かれる。川内選手がゲスト出場を予定している。東日本大震災後の2013(平成25)年に復興イベントで村を訪れたのをきっかけに、毎年、駆け付ける。村民は凱旋[がいせん]レースと交流を心待ちにする。
 来春、代名詞の「公務員ランナー」からプロに転向する。瀬古さんと同様、さらなる高みを目指す。立場は変わっても、挑み続ける姿は県内の市民ランナーと復興へ歩む被災地を励まし続ける。

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