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避難者励まされる 両陛下、最後の来県

 天皇、皇后両陛下は9日、南相馬市で開催される第69回全国植樹祭への出席と、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興状況視察のため来県された。いわき市の災害公営住宅で避難生活を送る双葉郡の住民を激励し、市内で催された植樹祭レセプションに臨んだ。10日は植樹祭式典に臨席し、11日まで滞在する。2019年4月30日で退位する天皇陛下と皇后さまにとって、公務での来県は最後とみられ、訪問先や沿道では約1万人の県民が出迎えた。

 両陛下は新幹線の特別列車で午後0時5分にJR郡山駅に到着された。ホームで内堀雅雄知事、吉田栄光県議会議長、松本裕之県警本部長、品川萬里郡山市長、佐藤政喜市議会議長が出迎え、深沢祐二JR東日本社長が先導した。県民が日の丸の旗を手に「ようこそ福島へ」などと声を上げると、両陛下は優しいまなざしで手を振った。
 続いて震災と原発事故発生後は初の訪問となるいわき市に入られた。富岡、大熊、双葉、浪江4町の計約450人が暮らす災害公営住宅「北好間団地」を訪れ、住民を「大変でしたね」「生活は落ち着きましたか」と気遣った。4町の入居者4人と懇談し、両陛下は避難生活の苦労などを尋ね、住民の目を見つめて「うん、うん」とうなずきながら話を聞いた。「ご苦労も多かったと思いますがそれを乗り越え、これからより良い生活を築いていかれるよう願っています」と優しく語り掛けた。
 両陛下と懇談した双葉町の無職渡部勝以さん(68)は「避難生活や健康を気遣う言葉をいただいた。感謝の思いでいっぱい」と感極まった様子だった。
 両陛下は宿泊先となる市内のスパリゾートハワイアンズで催された植樹祭レセプションで出席者と懇談され、フラガールのショーを観覧した。
 10日は南相馬市に入り、原町区雫(しどけ)の慰霊碑に拝礼後、海岸防災林整備地区で催される植樹祭の式典に出席される。11日は相馬市原釜地区の慰霊碑に供花した後、相馬原釜地方卸売市場で魚介類の仕分けなどを視察する。福島市の古関裕而記念館も訪れ、JR福島駅から帰京する。
 両陛下の来県は2016(平成28)年3月以来で、震災後は6度目。全国植樹祭は「国民体育大会」や「全国豊かな海づくり大会」と並び、両陛下にとって重要な地方公務「三大行幸啓」の一つ。次回は2019年5月以降に愛知県での開催が予定されている。両陛下の植樹祭への出席は最後となる。

■きょう南相馬で全国植樹祭 復興、内外に発信

 第69回全国植樹祭は、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の発生以降、東北の被災地で初めて開催される。津波で被災した同地区で、天皇、皇后両陛下が復興を象徴する苗木をお手植え、お手播(ま)きされるほか、来場者が記念植樹を行う。県内の緑の再生をさらに進め、次世代への継承を誓うとともに、国内外からの復興支援への謝意を伝える重要な大会となる。
 会場には国内外から約9000人が集まる予定。午後からの式典で高校生や芸能継承者らが演奏や踊りなどを披露し、復興に向かう福島の姿を国内外に力強く発信する。午前中は記念植樹として来場者が海岸防災林となる会場隣接地4・6ヘクタールに県民が育てた苗木約2万本を植える。
 県内開催は1970(昭和45)年に猪苗代町で開かれた第21回大会以来、48年ぶり。

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災害公営住宅の住民に声を掛けられる天皇、皇后両陛下=いわき市・北好間団地
災害公営住宅の住民に声を掛けられる天皇、皇后両陛下=いわき市・北好間団地

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