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訪日外国人誘客へ全力 日本政府観光局理事長に就任 清野智氏に聞く

 日本政府観光局理事長(JNTO)に4月1日付で就いた清野智氏(70)=本籍福島市、JR東日本顧問、前東北観光推進機構会長=は福島民報社のインタビューに答え、訪日外国人の県内への誘客、風評払拭(ふっしょく)に一層、注力する考えを示した。今春、就任した日本野球連盟会長としての思いも語った。
(聞き手・編集局長 鞍田 炎)

 -運輸や東北観光推進機構など観光に近い分野に携わってきた。日本政府観光局理事長の抱負を。

 「我々の大きな役割は、政府が掲げる訪日外国人(インバウンド)の目標数達成だ。2020年に4000万人とし、昨年4兆4000億円だった消費額を8兆円にする。北米、欧州、豪州、アジアなど世界20カ所に開設している海外事務所を通じ、日本へ観光客を呼び込む。さらに、蓄積してきた誘客に関するデータや手法を生かし、自治体や東北観光推進機構などの取り組みを支援する」

 -訪日外国人旅行者の現状と課題は。

 「東北などの地方と東京、大阪、京都といった『ゴールデンルート』では入り込みに差がある。地域差を解消し、地方に広げていきたい。訪日外国人の74%は中国、韓国、台湾、香港で、タイなど東南アジアも加えるとほぼ85%を占める。一方で米国、欧州、豪州はまだ少なく、今年から誘客に力を入れる」

 -本県の外国人旅行者はようやく震災前の水準に戻ったが、全国の他の地域に比べると伸びは鈍い。
 「外国人旅行者を一気に呼び込むための特効薬はない。県などが単体で誘客に取り組むのではなく、隣県などとの広域的なアピールが有効だ。例えば、栃木県日光市から会津若松市を経由し、山形県米沢市を巡り、歴史に触れる観光ルートをつくる。果物だったら福島市のフルーツラインと山形県のサクランボを結ぶ。外国人が足を運びたいと思うストーリーをつくり、宣伝するのが重要だ」

 -本県は東京電力福島第一原発事故の風評が続いている。

 「局内に東北に特化した部署を設けており、福島が抱える問題の解決にも重点的に取り組みたい。食べ物を含め、福島の現状を正しく知ってもらう努力を粘り強く積み重ねていくのが大切だ。外国の有名ブロガーなどを招き、情報発信してもらうのも効果的な手法になる」

 -社会人野球を統括する日本野球連盟会長の重責も担う。野球との関わりと抱負を。

 「父が旧国鉄マンだった縁で仙台にあった仙台鉄道管理局野球部の試合などを小さい頃から観戦していた。野球はチームワークのスポーツだ。鉄道もチームの各ポジションで一人一人がベストを尽くすから安全を保てる。共通性を感じる」

 -2020年東京五輪は県内で野球とソフトボールの試合がある。

 「大会組織委員会などと協力し、機運を高めていきたい。親子で参加できるティーボール教室などを開催し、野球の楽しさを発信する」

 -昨年は県外在住功労者表彰を受けた。福島への思いは。

 「仙台市で生まれたが、福島は両親の古里で、私も小さいときに福島市に住んでいたこともあり、自分の古里であると思っている。福島県がさらに元気になり、原発事故からの復興を果たすための力になりたい。観光や果物など福島県の魅力を折に触れてPRする」

 せいの・さとし 仙台市生まれ。仙台一高、東北大法学部卒。両親とも福島市出身で、旧国鉄社員だった父の転勤で3歳から福島六小(現三河台小)3年時まで県内に住んだ。1970(昭和45)年に旧国鉄に入り、2006年にJR東日本社長、2012年から会長を務め、今春から顧問。今年3月末まで東北観光推進機構会長も務めた。

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福島に対する思いや観光振興策を語る清野氏
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