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キュウリでダイエット(6月23日)

 「世界で最も栄養のない野菜」。キュウリは時折、こんな不名誉な言葉で語られる。約90%が水分とされ、カロリーの低さでギネスブックにも載った。食べると体を冷やす働きがある。シャキシャキとした歯触りと相まって風味に涼しさを感じる。
 ダイエットを促すといわれる成分があることが分かり、脚光を浴びる。福島大共生システム理工学類の研究がきっかけとなった。8年前、世界で初めて脂質分解酵素のホスホリパーゼを含むことを発見した。古殿町出身で東京の名店「分とく山」総料理長の野崎洋光さんは、著書や出演番組で利点を紹介した。それが人気に輪をかけた。
 夏秋キュウリの生産量日本一を誇る須賀川市では、間もなく出荷の最盛期を迎える。暑くなるにつれて、絞り汁を麺に練り込んだ冷たい「かっぱ麺」の注目度も上がる。市民は7月14日に市内で開催される「きうり天王祭」を待ちかねている。
 もともと英語のダイエットに痩身[そうしん]の意味はないという。食事の制限や調整を意味し、「導く」が語源の一つとされている。キュウリには、地域の農業や観光を引っ張る力もある。持ち味をしっかりと生かせば、収穫はさらに大きくなる。

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